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訪問看護ステーション選びで失敗しない5つのポイント【2026年版】

さくら

さくら

訪問看護師・ケアキロ公式ライター

2026年3月21日11
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「訪問看護に転職したいけど、どのステーションを選べばいいの?」——求人情報だけでは分からないことが多くて、迷いますよね。厚生労働省の調査によると、訪問看護ステーションは全国に19,314ヵ所(2025年4月時点)あり、前年比+1,506ヵ所と年々増加しています。一方で、訪問看護師の入職後1年以内の離職率は約15〜20%とされ、その理由の多くが「ステーションとのミスマッチ」です。私も転職時に3つのステーションを見学し、比較して今の職場を選びました。今回は、後悔しないステーション選びの5つのポイントを、データとリアルな体験をもとにお伝えします。

なぜステーション選びが重要なのか

訪問看護ステーションは、病院と比べて小規模な事業所が圧倒的に多いのが特徴です。

規模 看護職員数 全体に占める割合 特徴
小規模 5人未満 約40% 家庭的な雰囲気、一人の負担が大きい
中規模 5〜9人 約35% バランスが良い、教育体制が整いつつある
大規模 10人以上 約25% 専門チーム制、研修制度が充実

出典:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(2024年)

病院の数百人規模と違い、5〜10人のチームで毎日顔を合わせるため、人間関係や方針の合う・合わないが働きやすさに直結します。「思っていたのと違った…」と早期離職してしまう人も少なくありません。

だからこそ、入職前のリサーチが何より大切なんです。


ポイント1:理念・方針が自分の看護観と合っているか

まず確認したいのが、ステーションの理念や運営方針です。ここがズレていると、日々のケアで違和感を感じ続けることになります。

確認すべき4つの視点

視点 確認方法 ミスマッチの例
対象利用者 高齢者中心?小児?精神科? がん看護がしたいのに高齢者ケアがメイン
看取りへの姿勢 積極的に受け入れる?年間件数は? 看取り経験を積みたいが対応していない
ケアの優先度 質重視?効率重視? じっくり関わりたいが件数重視の方針
地域連携の姿勢 多職種カンファの頻度は? チーム医療を大切にしたいが連携が希薄

面接や見学時に「どんな看護を大切にしていますか?」と聞いてみましょう。具体的なエピソードを交えて話してくれるステーションは、理念が現場に浸透している証拠です。

逆に、「利用者さんのために」といった抽象的な回答しか返ってこない場合は注意。理念が形骸化している可能性があります。

私の体験:理念の差を感じた見学

転職活動中、3つのステーションを見学しました。

  • A事業所:「効率的に回ることが大事」と、訪問件数の目標を強調。数字重視の印象
  • B事業所:「利用者さんの生活に寄り添う」と、ケアの具体例を20分以上話してくれた
  • C事業所:理念は良いが、現場スタッフの表情に余裕がなかった

私はB事業所に入職しましたが、管理者の言葉と現場の雰囲気が一致していたのが決め手でした。


ポイント2:教育体制・オリエンテーションが整っているか

訪問看護未経験の方はもちろん、経験者でもステーションごとに運営方法やルールが異なるため、教育体制の確認は必須です。

教育体制チェックリスト

確認項目 良い体制の目安 注意が必要な回答
同行訪問の期間 1ヶ月以上、利用者ごとに実施 「1週間で一人立ち」
プリセプター制度 担当の先輩が明確に決まっている 「みんなで教えます」(責任が曖昧)
カンファレンス 週1回以上の定期開催 「必要に応じて」(開催されないことも)
相談体制 訪問中でも電話相談OK 「基本的に一人で判断」
外部研修 費用補助あり、勤務時間扱い 「自費で休日に参加」
マニュアル整備 緊急時フロー、記録方法が文書化 「口頭で伝えます」

日本訪問看護財団の調査(2024年)によると、新卒訪問看護師の受け入れ体制を持つステーションは全体の約15%。裏を返せば、85%のステーションは「ある程度の経験者」を前提にしています。

だからこそ、教育体制が整っているステーションは貴重。面接時に遠慮なく確認しましょう。

「困った時にすぐ聞ける」かどうかが鍵

私の職場では、最初の1ヶ月は必ず先輩と同行し、その後も週1回のカンファレンスで症例を共有しています。訪問中に判断に迷った時は、その場で先輩に電話できる体制です。

「一人で訪問するのが不安」という方は、同行訪問の期間訪問中の相談体制を特に重視してください。この2つが整っているだけで、未経験からのスタートでも安心感が全く違います。


ポイント3:オンコール体制と頻度を把握する

訪問看護の転職で最も気になる人が多いのがオンコールです。全国訪問看護事業協会の調査では、離職理由の第1位が「夜間・緊急対応への不安」で約40%を占めています。

オンコール体制の比較

確認項目 理想的な体制 ストレスが高い体制
当番頻度 月4〜6回 月8回以上
バックアップ 管理者と2人体制 一人で全対応
実出動頻度 月1〜2回程度 週1回以上
オンコール手当 待機手当+出動手当の2段構え 手当なし or 少額
出動翌日の配慮 訪問件数の調整あり 通常通りの業務
利用者情報の共有 全スタッフがアクセス可能 担当者しか把握していない

オンコールの実態データ

項目 データ 出典
オンコール実施ステーション 83.7% 全国訪問看護事業協会(2024年)
月あたり平均当番回数 4〜8回 同上
電話で解決できる割合 約72% 訪問看護実態調査(2024年)
実際に出動が必要な割合 約28% 同上
夜間出動の平均回数 月1.2回 日本訪問看護財団(2024年)

「オンコールは月2〜3回」と言われても、実際の呼び出し頻度は聞いてみないと分かりません。「月に1〜2回の電話相談と、緊急訪問は数ヶ月に1回程度」というステーションもあれば、毎週のように出動があるところも。

面接時に「先月のオンコール出動は何回ありましたか?」と具体的に聞いてみましょう。正直に教えてくれるかどうかも、ステーションの誠実さを見るポイントです。


ポイント4:利用者層と専門性が自分の目指す方向と合っているか

どんな利用者さんが多いかによって、求められるスキルも日々の業務内容も大きく変わります

利用者層別の特徴比較

利用者層 主な保険 求められるスキル こんな人におすすめ
高齢者中心 介護保険 生活支援、服薬管理、看取り 長期的な関わりを大切にしたい人
小児・医療的ケア児 医療保険 人工呼吸器管理、家族支援 専門性を高めたい人
精神科 医療保険 傾聴、コミュニケーション、薬物療法 対話を大切にしたい人
がん・ターミナル 医療保険 疼痛管理、緩和ケア、グリーフケア 終末期看護に関心がある人
難病・リハビリ 医療保険 ADL評価、リハビリ支援 回復を支えたい人
複合型 両方 幅広い対応力 多様な経験を積みたい人

確認すべき数字

面接・見学時に以下の数字を聞くと、そのステーションの「本当の姿」が見えてきます。

  • 現在の利用者総数(規模感が分かる)
  • 介護保険と医療保険の比率(利用者層の傾向が分かる)
  • 月間の新規受入件数(成長性が分かる)
  • 看取り件数(年間)

「いろんな経験を積みたい」という方は複合型、「専門性を高めたい」という方は特化型がおすすめです。私は「幅広く経験を積みたい」と思い、高齢者から小児まで対応する複合型を選びました。


ポイント5:働き方の柔軟性とワークライフバランス

訪問看護の魅力の一つは働き方の自由度。しかし、ステーションによって差は大きいです。

働き方に関する確認項目

確認項目 理想的な回答例 注意すべき回答例
勤務形態 常勤・パート・週3日など選択可 常勤のみ
直行直帰 条件付きで可能 毎日ステーションに出勤必須
時短勤務 育児・介護事由で対応可 前例なし
有給取得率 70%以上 「忙しくて取りづらい」
残業の実態 月平均10時間以内 「記録が終わらないことも…」
記録方法 タブレット・スマホで移動中に入力可 事務所に戻って手書き

残業と記録業務の実態

全国訪問看護事業協会の調査(2024年)によると、訪問看護師の1日あたりの平均残業時間は約30分。ただし、これはあくまで平均値です。

記録方法 平均残業時間 特徴
ICTツール活用(タブレット等) 15〜20分/日 移動中に入力可、テンプレート活用
紙ベース+パソコン入力 30〜45分/日 帰社後にまとめて入力
手書き記録 45〜60分/日 二重入力が発生しやすい

記録業務のICT化が進んでいるステーションは、それだけで残業時間が大幅に減ります。面接時に「記録はどのように行っていますか?」と聞くことを忘れずに。

子育て中の方へ

子育て中の方は、急な休みへの理解があるかも重要なポイントです。「子どもの熱で休んでも大丈夫ですか?」と聞きにくいかもしれませんが、入職後のミスマッチを防ぐためにも確認しておきましょう。

子育てと両立しているスタッフが何人いるかを聞けば、職場の理解度が分かります。「うちは半数が子育て中ですよ」と答えてくれるステーションなら、安心できますね。


見学時の「五感チェックリスト」

求人情報や面接での説明だけでは分からない「空気感」があります。実際に見学に行ったとき、五感を使って観察してみましょう。

感覚 チェックポイント 良いサイン 注意サイン
視覚 スタッフの表情 笑顔がある、挨拶してくれる 疲れた表情、目を合わせない
視覚 事務所の整理整頓 デスク周りがきれい 書類が山積み、乱雑
聴覚 スタッフ同士の会話 和やかな雑談がある ピリピリした雰囲気
聴覚 電話対応の様子 丁寧で落ち着いている 早口、事務的
直感 全体的な居心地 「ここで働きたい」と感じる なんとなくモヤモヤする

私の経験では、「なんとなくの居心地の良さ」は意外と当たります。言語化できなくても、直感で「ここは違うかも」と感じたらその感覚を大事にしてください。

見学時に聞くべき質問リスト

# 質問 確認の意図
1 「スタッフの平均勤続年数は?」 定着率の高さを確認
2 「直近1年の離職者は何人ですか?」 人材の流出度を確認
3 「新人の教育はどなたが担当しますか?」 教育体制の具体性を確認
4 「先月のオンコール出動回数は?」 オンコールの実態を確認
5 「有給休暇の取得率はどれくらいですか?」 ワークライフバランスを確認
6 「記録はいつ、何で書いていますか?」 ICT化・残業の実態を確認

具体的な数字で答えてくれるステーションは信頼できます。「だいたい…」「人によって…」と曖昧にはぐらかされた場合は、データを把握していない(または答えたくない)可能性があります。


ステーション規模別のメリット・デメリット

「大きいステーションと小さいステーション、どちらが良いの?」という質問もよく受けます。

項目 小規模(5人未満) 中規模(5〜9人) 大規模(10人以上)
雰囲気 アットホーム、距離が近い バランスが良い 組織的、専門チーム制
教育 OJT中心、マンツーマン プリセプター制度あり 研修プログラムが充実
オンコール 当番回数が多くなりがち 月4〜6回程度 月2〜4回に分散
専門性 幅広い経験が必要 得意分野を持てる 専門チーム配属も
休みやすさ 代わりが少なく休みにくい 調整しやすい シフト調整の自由度が高い
キャリアアップ 管理者へ早く昇進も 段階的にステップアップ 主任→管理者のパスが明確
意思決定 現場の声が反映されやすい 両方のバランス 組織の方針に従う傾向

初めての訪問看護なら中〜大規模(教育体制・バックアップ重視)、経験を積んだ方で裁量を持ちたいなら小〜中規模がおすすめです。


私が実践した「ステーション比較シート」

転職活動中、私は見学した3つのステーションを同じ基準で比較するシートを作りました。これが最終的な判断にとても役立ったので、テンプレートを共有します。

比較シートの項目例

比較項目 A事業所 B事業所 C事業所
理念・方針 5段階で自己評価
教育体制 同行期間、プリセプター有無
オンコール 頻度、手当、バックアップ
利用者層 対象、介護/医療保険比率
働き方 残業、有給取得率、直行直帰
給与・手当 基本給、賞与、各種手当
通勤時間 自宅からの所要時間
見学の印象 雰囲気、スタッフの表情

見学後すぐに記入するのがコツ。時間が経つと印象が薄れてしまうので、車に戻ったらすぐにメモしていました。


よくある質問(FAQ)

Q1. 見学は何ヵ所くらい行くべきですか?

A. 最低3ヵ所をおすすめします。1ヵ所だけでは比較ができず、3ヵ所見学すると「自分にとって何が大切か」が明確になります。タイプの異なるステーション(小規模と大規模、高齢者中心と複合型など)を組み合わせると、より判断しやすくなります。

Q2. 病棟経験は何年あれば訪問看護に転職できますか?

A. 最低3年の臨床経験を求めるステーションが多いですが、近年は新卒採用を行うステーションも増えています。日本訪問看護財団によると、新卒受け入れ体制を持つステーションは全体の約15%です。急性期・慢性期いずれかの病棟で基礎的なアセスメント力を身につけておくと安心です。

Q3. 給与面で確認すべきことは?

A. 基本給だけでなく、オンコール手当・出動手当・訪問手当・資格手当・賞与実績を確認しましょう。訪問看護師の平均年収は約430〜480万円(正看護師・常勤)ですが、手当の有無でステーション間の差が大きくなります。「手取りで比較する」のがポイントです。

Q4. 紹介会社(エージェント)は使うべきですか?

A. 活用をおすすめしますが、鵜呑みにしないことが大切です。エージェントは求人票に載らない内部情報(離職率、雰囲気、管理者の性格など)を持っていることがあります。ただし、紹介手数料の都合で特定のステーションを強く勧めてくることも。必ず自分の目で見学して判断してください。

Q5. 面接で「オンコールは可能ですか?」と聞かれたらどう答えますか?

A. 正直に答えましょう。「対応可能ですが、月の回数と体制を確認させてください」と伝えれば問題ありません。むしろ、体制を確認する姿勢は「しっかり考えて転職活動をしている」という好印象につながります。無理に「何でもできます」と答えて、入職後に苦しむ方が問題です。

Q6. 開設したばかりの新しいステーションは避けた方がいいですか?

A. 一概には言えません。新設ステーションは教育体制やマニュアルが未整備なことがある反面、組織を一緒に作り上げる経験ができるメリットもあります。管理者の経験値と方針をしっかり確認しましょう。訪問看護の管理者経験が豊富で、具体的なビジョンを持っている方が運営するステーションなら、新設でも安心です。


まとめ:ステーション選びの5つのポイント

# ポイント 最も重要な確認事項
1 理念・方針 自分の看護観と合っているか、具体的なエピソードで語れるか
2 教育体制 同行訪問の期間、プリセプター制度、訪問中の相談体制
3 オンコール 当番頻度、実出動回数、バックアップ体制、手当の内訳
4 利用者層 自分がやりたい看護ができるか、保険種別の比率
5 働き方 残業の実態、有給取得率、ICT化の状況、育児への理解

転職は人生の大きな決断です。複数のステーションを見学して比較すること、そして具体的な数字で質問することが、後悔しない選択につながります。

焦らず、自分に合った職場を見つけてくださいね。あなたが「ここで働きたい」と思えるステーションは、きっとあります。


参考資料・出典

  • 厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(2024年)
  • 全国訪問看護事業協会「訪問看護ステーション実態調査」(2024年)
  • 日本訪問看護財団「訪問看護の実態と課題に関する調査」(2024年)
  • 厚生労働省「訪問看護の現状とこれから」(2025年)
  • 日本看護協会「2024年 病院看護・訪問看護実態調査」

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