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訪問看護師の1日はどう進む?5件を訪問する日のスケジュール例

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訪問看護師の1日の流れを表す時計、予定表、訪問バッグのイラスト

訪問看護への転職を考えるとき、「1日5件」と聞いても、忙しさは想像しにくいですよね。5件の間には移動、記録、電話連絡が入り、予定が変わる日もあります。ここでは5件を訪問する日勤の架空のスケジュールを使って、ケア以外の時間まで見ていきます。全国平均や特定の職場の実績を示すものではありません。

架空の勤務480分を訪問270分、訪問間150分、準備30分、帰社後30分に分け、休憩60分を別枠にした比例図
架空の1日の時間配分。訪問間150分には移動・記録・連絡・調整余地を含みます。休憩を削って遅れを吸収する想定にはしません。 図を大きく見る

8:30から17:30まで、5件を訪問する日の予定

例では8:30〜17:30の勤務に、60分の休憩を置いています。訪問時間は利用者さんの計画に合わせた想定で、同じ件数でも移動距離やケア内容によって配分は変わります。

時間 内容 場所・注意点
8:30〜9:00 朝礼、情報・物品確認 ステーション
9:00〜10:00 1件目:健康観察・服薬確認 利用者宅
10:00〜10:30 記録の要点入力、移動 入力は安全に停車してから
10:30〜11:30 2件目:医療的ケア 利用者宅
11:30〜12:00 記録・連絡、移動 必要な報告は後回しにしない
12:00〜13:00 休憩 業務から離れられる時間を確保
13:00〜13:45 3件目:生活動作の支援 利用者宅
13:45〜14:30 記録、移動、多職種への連絡 停車中など安全な場所で連絡
14:30〜15:30 4件目:終末期ケア 利用者宅
15:30〜16:00 記録、移動 遅れる場合は所属先の手順で連絡
16:00〜16:45 5件目:入浴の支援 利用者宅
16:45〜17:00 帰社 ステーションへ
17:00〜17:30 記録の確認、申し送り、翌日の準備 未完了の業務と対応先を共有

この例では訪問自体が4時間30分、残りの勤務時間が準備・移動・記録・連絡です。「件数」だけでは見えない時間があることを意識すると、求人の説明を聞くときにも具体的な質問ができます。


ケアの270分以外は、何に使う?

上の予定は架空の1日です。標準件数や記録の平均所要時間を示すものではありません。8:30〜17:30は9時間、そのうち休憩60分を除いた勤務は480分です。

使う時間 この予定での内訳 合計
訪問 60+60+45+60+45分 270分
朝礼・出発準備 8:30〜9:00 30分
訪問の合間・帰社 30+30+45+30+15分 150分
帰社後の確認・準備 17:00〜17:30 30分
休憩を除く勤務 270+30+150+30 480分

表にある訪問の合間と帰社までの150分は、すべて移動に使えるわけではありません。この例では移動90分、記録・連絡45分、遅れへの調整余地15分と仮に内訳を置きます。もう1件引き受けるなら、ケアに加えて移動・記録・連絡の時間も必要です。どの時間帯に入れられるか、予定表を見ながら考えます。

15分の調整余地を毎日使い切っているなら、普段からそれだけの時間が必要だと考えて、予定を見直します。終業前30分も、全件の記録を一から書く時間ではなく、訪問間に入力した内容の確認・申し送り・補充に使う想定です。

2件目が25分延びたとき、昼休みを削らず組み直す例

状態変化への対応と連絡に時間が必要となり、2件目が11:55まで延びた架空ケースです。利用者さんへの安全な対応を優先し、管理者が午後の予定を組み直すと、次のようになります。

元の予定 変更後(架空) 調整する理由・担当
2件目終了11:30 11:55終了 必要なケア・報告を予定時刻のために省略しない
11:30〜12:00 記録・連絡・移動 11:55〜12:25、30分を維持 担当者が管理者へ遅れを共有。管理者が午後の予定を調整
12:00〜13:00 休憩 12:25〜13:25、60分を確保 電話は交代担当へ。予定上の空白を休憩と偽らない
13:00〜13:45 3件目 13:25〜14:10 利用者・家族へ管理者等が変更を連絡し、了承を確認
13:45〜14:30、45分 14:10〜14:40、必要業務30分 仮に含んでいた調整余地15分を使う
14:30〜15:30 4件目 14:40〜15:40 ケア時間は維持。以後10分のずれが残る
16:00〜16:45 5件目 別の担当へ引継ぎ 応援者の移動・記録時間も確保できる場合に調整

25分の遅れは、15分の余地を使っても10分残ります。5件目をほかの担当者へ引き継ぐときは、引き受ける側にもケア・移動・記録・休憩の時間があるかを見ます。応援者に余地がなければ、管理者が利用者の必要性・希望・他サービス等を確認し、訪問時間の再調整や追加の勤務を検討します。担当を移せば解決すると決めず、引き受ける側の予定まで一緒に調整します。

休憩に電話が入ったら、実際の時刻を残す

仮に12:25〜13:25の予定休憩中、12:45〜12:55に電話対応した場合、業務から離れられた時間は20分+30分=50分です。この例では残り10分を勤務中に取り直すよう管理者へ相談します。電話に備える待機も自由に使える休憩とは限らないため、対応10分だけを引けば十分と決めつけず運用を確認します。

厚生労働省の説明では、労働時間が6時間を超え8時間以下なら少なくとも45分、8時間を超えるなら少なくとも1時間の休憩が必要です。これは最低基準であり、上の職場が予定した60分を勝手に45分へ縮めるための説明ではありません。

8:30 出勤・朝礼:昨夜からの変化と、今日の担当を聞く

この例では、出勤後の朝礼で昨夜からの変化と当日の体制を共有します。

朝礼で共有する内容

共有事項 具体例
利用者の状態変化 「〇〇さん、昨日熱があったから注意して」
新規利用者の情報 「今日から△△さんの初回訪問があります」
多職種からの連絡 「ケアマネさんから□□さんの件で相談あり」
当日の訪問体制 「Aさんが有給なのでBさんが代行します」
オンコール対応の報告 「昨夜◇◇さんから電話がありました」

朝礼が終わったら、訪問バッグの最終チェック。血圧計、体温計、聴診器、手指消毒液、記録用タブレット、地図アプリの確認を済ませて出発します。

初回訪問や前日に状態変化があった方は、予定のケアだけでなく、相談先と緊急時の指示も確認します。いつものバッグに入っていない物品が必要な日は、利用者さんごとに準備すると抜けにくくなります。


9:00〜16:45 訪問:ケアと、その前後の仕事を見ていく

1件目:一人暮らしの方の健康観察

血圧や体温の測定、服薬確認、生活動作の支援を想定した訪問です。測定値に加え、「昨日は眠れたか」「朝食は何を食べたか」「いつもの動きができるか」を聞きます。

台所や冷蔵庫は、確認する理由を説明して同意を得てから見ます。食材が残っているだけで食べていないと断定せず、配食への変更や家族の支援なども確かめます。

2件目:医療的ケアと家族への説明

点滴管理や創部の処置などでは、指示内容、必要物品、観察・報告項目を確認して訪問します。本人の状態によって、予定していた時間を超えることもあります。

訪問中に確かめること 次へつなぐ情報
指示と実施内容 変更や未実施があれば理由と相談先
処置部位・全身状態 前回との差、本人の訴え
家族の介助方法 実際にできるか、負担が増えていないか
物品の残量 次回まで足りるか、補充する人

医療的ケアの時間だけで予定を組むと、家族への説明や報告が押し出されます。初めての処置や介護者への説明がある日は、その時間も見込んでおきます。

昼休み:予定表の空き時間を、そのまま休憩と思わない

訪問の間に空きがあっても、移動や記録、電話対応をしていれば休憩とは別です。場所だけでなく、業務から離れられる時間が確保されているかを見ます。

休憩中に対応が入った場合、いつ取り直すか、誰が訪問を調整するかを所属先と確認しておきましょう。毎日休憩が削られるなら、個人の食べ方ではなくスケジュールの問題として相談します。厚生労働省の休憩に関する説明では、電話等への対応が必要な待機時間は休憩に含まれないとされています。

車内で食べる場合も、安全な駐車場所、温度、トイレの利用を確認します。自転車で訪問する職場なら、雨の日の休憩場所も見学時に聞いておくと具体的です。

3件目:生活動作の支援

歩行や日常生活動作の練習を、計画と本人の体調に合わせて支援する例です。できた動作だけでなく、痛み、疲労、休む回数も記録します。PT・OT等が関わる場合は、目標や介助方法を共有し、家庭でも無理なく続けられるか確認します。

4件目:終末期ケア

痛みや呼吸のつらさ、服薬の状況、本人の希望を確認します。家族には、夜間に変化があったときの連絡先や、共有されている対応方針を改めて確かめます。

相談が長くなったときや状態が変わったとき、次の訪問へどう引き継ぐかもチームの仕事です。「予定に間に合わせるために急ぐ」だけで対応せず、管理者へ調整を依頼します。

5件目:入浴の支援

入浴できる状態か、住環境と介助方法に危険がないかを確認します。安全に行えない場合は、清拭などへ変更するかを計画・指示と所属先の手順に沿って相談します。入浴後の体調と、次回までの支援も記録してから訪問を終えます。


17:00 帰社:記録を見直し、次の担当へ申し送る

帰社後の30分は、訪問の合間に入力した記録を見直し、残る連絡と翌日の準備を進める時間に充てます。

帰社後にやること

作業 内容 この架空例での配分
看護記録の確認 訪問間に入力した内容、実施・相談・次回確認の点検 15分
報告・連絡 必要な報告の完了と、残る確認先の点検 チーム内共有の5分で確認。追加連絡は別に時間確保
翌日の準備 訪問スケジュール確認、必要物品のチェック 5分
チーム内共有 気になった利用者の状態を同僚に伝える 5分

訪問直後に、所属先の承認した端末や記録方法で要点を残しておくと、帰社後の思い出し作業を減らせます。運転中・歩行中の入力は避け、周囲に臨床情報が聞こえる音声メモや個人アプリへの保存にも注意します。記録時間が足りない日が続く場合は、訪問件数や移動も含めて調整を相談してください。

記録の負担を減らす具体的な手順は、訪問看護の記録業務を効率化する5つのコツで、テンプレート作成から隙間時間の使い方までまとめています。


訪問の合間には、記録と連絡の時間も取る

訪問間の時間は、次の訪問までに必要な作業を終えるためにも使います。ただし、空き時間をすべて仕事で埋めず、休憩とは分けて考えましょう。

隙間時間 活用方法 効果
安全に停車している間 承認された記録方法で要点を入力、次の情報を確認 帰社後の記録時間を短縮
訪問が早く終わった時 車内で記録の下書き 記憶が新鮮なうちに書ける
待ち時間(早く着いた時) 制度の勉強、研修動画視聴 スキルアップ
電話連絡の合間 ケアマネへの報告をまとめて実施 効率的な多職種連携

緊急の報告をまとめて後回しにすることは避けます。余白がなく毎日記録が残るなら、やり方だけでなく予定の組み方も見直す必要があります。


病棟から移るとき、勤務と移動はどう変わる?

生活の場を訪ねる働き方は、病棟とどこが変わるのでしょうか。勤務時間、相談の仕方、移動などを並べました。条件は応募先ごとに確かめてください。

項目 訪問看護 病棟勤務
勤務時間 日勤中心の職場もある。時間は求人ごとに確認 2交代・3交代のシフト制
夜勤 オンコールや夜勤の有無・回数を確認 病棟・雇用条件で異なる
判断 一人で判断する場面が多い チームで相談しやすい
利用者との関係 長期的(数年単位も) 比較的短期(入院期間)
観察環境 生活の場(自宅)で観察 医療機器が揃った環境
移動 車・自転車で1日に数ヵ所移動 病棟内の移動のみ
記録 承認された端末で、安全な場所から入力 ナースステーションで入力
休憩 自分で場所・時間を確保 休憩室がある
服装 ユニフォーム等、所属先の規定に従う 指定のユニフォーム
残業 件数・移動・記録・緊急対応で変わる 申し送り・急変で延長しがち

自分がしたい看護と、希望する働き方に重ねる

見学では、次の働き方が自分に合いそうかを考えてみてください。適性を決める診断ではありません。

  • 迷ったときに相談し、判断を共有できる:訪問先から電話などでチームへつなぐ
  • 利用者さんの「生活」に興味がある:冷蔵庫の中身、部屋の温度、家族関係まで観察できる
  • コミュニケーションが好き:利用者さん・ご家族・多職種との連携が多い
  • 時間配分を考えながら働きたい:訪問の約束時間と必要なケアに合わせて動く
  • 日勤中心の生活を送りたい:当番や夜勤の有無は、希望条件と合わせて確認

見学では「何件」より、1日の配分を見る

この例と同じ5件でも、片道の移動が短い日と、広いエリアを回る日では負担が変わります。ケアに必要な時間、初回訪問、複数名訪問、カンファレンスも予定に影響します。

質問 確認できること
「最近の1週間のルートを見せてもらえますか」 実際の移動範囲と、日ごとのばらつき
「記録はいつ入力し、どれくらい時間を取っていますか」 訪問外の業務が勤務内に収まるか
「キャンセルや緊急訪問が入ると、誰が調整しますか」 予定変更の責任が個人に集中していないか
「昼休み中の電話は誰が受けますか」 休憩を取れる体制か
「新人の同行や相談の時間は予定に入りますか」 独り立ちまでの教育の進め方

説明された平均件数だけでなく、忙しかった日も聞いてみると、働き方を想像しやすくなります。


予定が詰まりすぎないための工夫

自分で準備できることと、チームで調整することを分けて考えます。

1. 地図だけでなく、ケアと暮らしに合わせて順番を考える

地図で移動経路と駐車場所を確認します。近い順に回れるとは限らず、処置の時間、本人の生活、家族の在宅時間にも合わせる必要があります。訪問順の変更は、管理者・利用者さんと調整してから行いましょう。

2. 「3分メモ」で帰社後の記録を時短

安全に停車した車内などで、訪問直後の3分をメモに使う方法もあります。バイタル値、気になったこと、次回への申し送りなど、要点を箇条書きにします。正式な記録のどこへ反映するかまで決めておくと、二重入力も減らしやすくなります。

「何を残せば十分か」が不安なときは、SOAP・経過記録のテンプレート例を確認して、自分の訪問パターンに合う型を作っておくと続けやすくなります。

3. 訪問バッグは「定位置管理」

毎回探してしまう物品があれば、入れる場所を決めておくと取り出しやすくなります。機器や消耗品の置き場所を決め、訪問前も同じ順番で点検できるようにします。

4. 季節に合わせた体調管理

1日中外を移動するので、季節の影響を大きく受けます。

季節 対策
夏 日傘、冷却タオル、涼しい場所での休憩、こまめな水分補給
冬 重ね着(車内と屋外の温度差対策)、カイロ、のど飴
梅雨 防水バッグカバー、替えの靴下、タオル多めに
花粉期 マスク、目薬、花粉を落とすスプレー

5. 次の訪問へ気持ちを切り替える時間も持つ

訪問を終えても、話したことが頭に残る日があります。終末期ケアなどで気持ちが重くなったときは、安全な場所で一息つく、無理のない範囲で音楽を聴くなど、自分に合う方法を選びます。つらさが残るなら、次へ急いで切り替えようとせず、チームで振り返る機会も相談しましょう。


「記録は隙間でできます」と言われたら、予定表で聞く

見えた予定 追加する質問 回答から判断すること
「訪問60分、次の訪問まで15分」 「移動は何分ですか。記録・手指衛生・物品整理はどこで行いますか」 移動15分なら、ほかの作業を入れる時間が別に必要
「毎日同じ5件です」 「新規訪問、複数名訪問、会議のある日はどう変えますか」 件数より、その日に必要な仕事が予定に反映されるか
「記録は隙間でできます」 「実際にどの区間で何分確保されていますか」 安全に停車して入力できる時間か。運転中入力を前提にしない
「直行直帰なので楽です」 「物品補充、鍵・端末の管理、朝の情報共有、勤怠はどうしますか」 帰社が減った分の仕事が自宅へ移るだけになっていないか
「残業は少ないです」 「退勤時刻と、勤務外の電話や持ち帰り記録はどう把握していますか」 退勤の数字と実際の業務終了が一致するか

17:30に退勤したい応募者なら、何をメモする?

次は架空の応募者が、17:30退勤を希望して見学した場合の記入です。

条件 確認できたこと・残ること
送迎に間に合う退勤 通常日17:30。遅れた日は管理者が調整する説明あり。最近の実例を追加確認
運転への不安 同行時にルートと駐車を練習できる。夜間移動の担当開始条件は未確認
記録時間 訪問間に入力し帰社後確認。同行中も入力を練習する予定あり
当番翌日の疲れ 訪問交代の連絡窓口は確認済み。実際の代替担当を面接で聞く

この応募者が次に聞きたいのは、遅れた日に管理者がどう調整したか、当番翌朝は誰が訪問を代われるかです。件数から始めた質問を、自分の退勤や運転の不安へつなげられます。

「訪問する時間」以外も見て、働き方を選ぶ

転職先で1日の流れを聞いたら、移動、記録、連絡、休憩がどこに入るかを見てください。予定が変わった日の調整先と、相談できる相手まで分かると、働く姿を想像しやすくなります。

見学では、通常日と忙しかった日の予定を一つずつ聞いてみてください。その違いから、無理が出たときに誰と調整できる職場なのかも考えてみましょう。日々の勤怠・経費を整理する方法は、ケアキロの案内でも確認できます。


参考資料・出典

役に立ったら、同僚にも。

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