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キャリア

訪問看護師の1日に密着!リアルなスケジュールと仕事の流れ【2026年版】

さくら

さくら

訪問看護師・ケアキロ公式ライター

2026年3月13日11
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「訪問看護師って、実際どんな1日を過ごしているの?」——病棟勤務の方や、これから訪問看護を目指す方からよく聞かれる質問です。厚生労働省の調査によると、訪問看護師の1日の平均訪問件数は4〜5件、1件あたりの訪問時間は30〜60分とされています。でも、数字だけでは伝わらない「リアルな空気感」がありますよね。今回は、私のある1日をベースに、時間の使い方から移動中のちょっとした工夫まで、ありのままにお伝えします。

訪問看護師の1日:タイムスケジュール全体像

まず、私が働くステーションの「ある平日」の流れを全体像でお見せします。

時間 内容 所要時間 場所
8:30 出勤・朝礼・準備 30分 ステーション
9:00 1件目訪問(高齢者・健康観察) 60分 利用者宅
10:15 移動+記録の下書き 15分 車内
10:30 2件目訪問(医療的ケア) 60分 利用者宅
11:45 移動 15分 車内
12:00 昼休み 45分 公園・車内
12:45 移動 15分 車内
13:00 3件目訪問(リハビリ) 45分 利用者宅
14:00 移動+電話連絡 30分 車内
14:30 4件目訪問(終末期ケア) 60分 利用者宅
15:45 移動 15分 車内
16:00 5件目訪問(入浴介助) 45分 利用者宅
17:00 帰社・記録・報告 30分 ステーション
17:30 退勤

日によって訪問件数や時間は変わりますが、だいたいこのパターンが基本です。では、それぞれの時間帯を詳しく見ていきましょう。


8:30 出勤・朝礼:1日はチームの情報共有から

ステーションに出勤したら、まずは朝礼から始まります。

朝礼で共有する内容

共有事項 具体例
利用者の状態変化 「〇〇さん、昨日熱があったから注意して」
新規利用者の情報 「今日から△△さんの初回訪問があります」
多職種からの連絡 「ケアマネさんから□□さんの件で相談あり」
当日の訪問体制 「Aさんが有給なのでBさんが代行します」
オンコール対応の報告 「昨夜◇◇さんから電話がありました」

朝礼が終わったら、訪問バッグの最終チェック。血圧計、体温計、聴診器、手指消毒液、記録用タブレット、地図アプリの確認を済ませて出発します。

この「準備の時間」を大切にしているのは、訪問先で「あ、あれ忘れた!」となると利用者さんにも迷惑がかかるからです。忘れ物ゼロで出発することが、良い1日のスタートの秘訣です。


9:00〜16:45 訪問:5件の利用者さんを訪問

1件目(9:00〜10:00):80代・一人暮らしの健康観察

最初の訪問先は、80代の一人暮らしのおばあちゃん。バイタル測定、服薬確認、軽いリハビリのお手伝いをします。

「今日はよく眠れた?」と聞くと、昨夜のテレビ番組の話が止まらなくなることも。でも、この何気ない会話の中から体調の変化を察知するのが、訪問看護師の腕の見せどころです。

一人暮らしの利用者さんの場合、「冷蔵庫の中身」「ゴミ箱の状態」「部屋の温度」なども重要な観察ポイント。食事がちゃんと摂れているか、生活が乱れていないかは、言葉だけでなく環境から読み取ります。

2件目(10:30〜11:30):医療的ケアが必要な利用者さん

次は医療依存度が高い利用者さん宅へ。点滴管理や褥瘡(じょくそう)処置など、しっかりとした医療行為が求められます。

ケア内容 所要時間の目安
バイタルサイン測定 5〜10分
点滴管理・薬剤確認 10〜15分
褥瘡処置 15〜20分
ご家族への指導 10〜15分
記録・報告 5〜10分

ご家族への指導も大切な仕事です。「こうすると楽に体位変換できますよ」と、介護の負担を少しでも軽くするコツをお伝えします。家族介護者の心身の健康を守ることも、訪問看護師の重要な役割の一つです。

昼休み(12:00〜12:45):訪問看護師のお昼事情

正直に言うと、「ちゃんとした昼休み」が取れる日とそうでない日があります。

  • 余裕がある日:次の訪問先近くの公園でお弁当を食べる
  • 忙しい日:車の中でコンビニのおにぎりをかじる
  • 移動が長い日:運転しながら…はさすがにしませんが、到着後にサッと済ませる

病棟時代は休憩室がありましたが、訪問看護では「自分でランチスポットを見つける楽しみ」があります。季節の花が咲く公園、景色の良い川沿い、穴場のカフェ——こうした発見は、訪問看護ならではの楽しみです。

ただし、しっかり食べて午後に備えることは大前提。空腹のまま訪問に向かうと、集中力が落ちてケアの質にも影響します。

3件目(13:00〜13:45):リハビリ中心の訪問

午後一番は、リハビリが中心の利用者さん。歩行訓練や日常生活動作(ADL)の練習をサポートします。

「先週より足が上がるようになったね!」——小さな進歩を一緒に喜べる瞬間が、この仕事の最大のやりがいです。利用者さん自身も、数値や動作で「良くなっている」と実感できると、モチベーションが全然違います。

4件目(14:30〜15:30):終末期ケア

終末期ケアの利用者さんを訪問します。ご本人の痛みや不安に寄り添いながら、ご家族の心のケアも大切にします。

訪問看護の現場では、厚生労働省の調査によると看取りに関わった経験のある訪問看護師は約72%とされています。「最後まで住み慣れた自宅で過ごしたい」という願いに寄り添うことは、訪問看護の最も重要な役割の一つです。

「私たちがそばにいますからね」——この一言を心から伝えられるよう、ご本人とご家族の両方に向き合うことを意識しています。

5件目(16:00〜16:45):入浴介助

本日最後の訪問。入浴介助をして、清潔にさっぱりしてもらいます。

入浴介助は体力を使いますが、「ありがとう、気持ちよかったよ」の一言で1日の疲れが吹き飛びます。お風呂上がりの利用者さんの笑顔は、何物にも代えがたいです。


17:00 帰社:記録と報告の時間

ステーションに戻ったら、記録作成の時間です。

帰社後にやること

作業 内容 所要時間
看護記録の作成 訪問内容、バイタル、観察所見、ケア内容 10〜15分
報告・連絡 ケアマネ・主治医への報告が必要な場合 5〜10分
翌日の準備 訪問スケジュール確認、必要物品のチェック 5分
チーム内共有 気になった利用者の状態を同僚に伝える 5分

記録を効率化できるかどうかが、残業の有無を左右します。移動中に音声メモを残したり、訪問直後にタブレットで要点を入力したりと、「帰社後にゼロから書かない」工夫が大切です。


訪問の合間に何してる?隙間時間の活用術

「5件も回って大変そう…」と思われるかもしれませんが、訪問と訪問の間の時間を工夫すれば、負担はかなり軽くなります。

隙間時間 活用方法 効果
移動中(運転中以外) 音声入力で記録メモ、次の利用者情報確認 帰社後の記録時間を短縮
訪問が早く終わった時 車内で記録の下書き 記憶が新鮮なうちに書ける
待ち時間(早く着いた時) 制度の勉強、研修動画視聴 スキルアップ
電話連絡の合間 ケアマネへの報告をまとめて実施 効率的な多職種連携

こうした「隙間時間の活用」が、残業を減らすコツです。ベテランの先輩ほど、この時間の使い方が上手だなと感じます。


病棟勤務との違い:比較表でわかるリアルな差

訪問看護と病棟勤務、どちらが合うかは人それぞれです。転職を検討する方の参考に、主な違いを比較表にまとめました。

項目 訪問看護 病棟勤務
勤務時間 日勤中心(8:30〜17:30が多い) 2交代・3交代のシフト制
夜勤 オンコール待機(月4〜8回程度) 月4〜5回の夜勤
判断 一人で判断する場面が多い チームで相談しやすい
利用者との関係 長期的(数年単位も) 比較的短期(入院期間)
観察環境 生活の場(自宅)で観察 医療機器が揃った環境
移動 車・自転車で1日に数ヵ所移動 病棟内の移動のみ
記録 タブレット・スマホで移動中も可 ナースステーションで入力
休憩 自分で場所・時間を確保 休憩室がある
服装 動きやすい私服が多い 指定のユニフォーム
残業 記録効率化で減らせる 申し送り・急変で延長しがち

訪問看護に向いている人の特徴

日本訪問看護財団の調査をもとに、訪問看護に適性がある方の特徴をまとめます。

  • 一人で判断することに抵抗がない(もちろん電話で相談はできます)
  • 利用者さんの「生活」に興味がある:冷蔵庫の中身、部屋の温度、家族関係まで観察できる
  • コミュニケーションが好き:利用者さん・ご家族・多職種との連携が多い
  • 自分のペースで働きたい:訪問と訪問の間に自分なりのリズムを作れる
  • 日勤中心の生活を送りたい:夜勤なし(オンコールはあり)

訪問件数と労働時間のデータ

「実際、1日何件くらい訪問するの?」——これも多い質問です。

訪問看護師の1日の訪問件数

項目 データ 出典
1日の平均訪問件数 4〜5件 厚生労働省「訪問看護の現状」(2025年)
1件あたりの平均訪問時間 30〜60分 同上
1日の平均移動時間 約1.5〜2時間 訪問看護実態調査(2024年)
1日の平均記録時間 約45〜60分 同上
月間平均訪問件数 80〜100件 全国訪問看護事業協会(2024年)

訪問件数は地域やステーションの方針によって大きく異なります。都市部では移動距離が短いため6〜7件訪問するケースもあれば、地方では移動に時間がかかるため3〜4件の日もあります。

訪問件数と移動時間の地域差

地域タイプ 1日の訪問件数 平均移動時間/件 特徴
都市部 5〜7件 10〜15分 移動が短く件数を確保しやすい
郊外 4〜5件 15〜25分 バランス型
地方・過疎地 3〜4件 30〜60分 移動距離が長いが利用者との関係が深い

私が実践している1日を快適に過ごすコツ

訪問看護歴を重ねる中で、私なりに工夫していることを5つご紹介します。

1. ルート最適化で移動時間を短縮

訪問先の順番を地理的に近い順に組み替えることで、1日の移動時間を15〜30分短縮できます。地図アプリでルートを事前に確認し、渋滞情報もチェック。特に月曜朝と金曜夕方は道が混むので要注意です。

2. 「3分メモ」で帰社後の記録を時短

訪問直後に車内で3分だけメモを取る習慣をつけています。バイタル値、気になったこと、次回への申し送りなど、要点だけ箇条書きに。これだけで、帰社後の記録作成が格段に速くなります。

3. 訪問バッグは「定位置管理」

バッグの中身は「どこに何があるか」を体が覚えるまで定位置を変えないのがポイント。利用者さんの前で「あれどこだっけ…」とゴソゴソ探す時間がなくなり、スムーズなケアにつながります。

4. 季節に合わせた体調管理

1日中外を移動するので、季節の影響を大きく受けます

季節 対策
塩分タブレット、日傘、冷却タオル、こまめな水分補給
重ね着(車内と屋外の温度差対策)、カイロ、のど飴
梅雨 防水バッグカバー、替えの靴下、タオル多めに
花粉期 マスク、目薬、花粉を落とすスプレー

5. 「オン・オフの切り替え」を意識する

訪問と訪問の間の移動時間は、実は気持ちの切り替えタイムでもあります。特に、終末期ケアの後は感情的に重たくなることもあるので、好きな音楽を聴いたり、少し深呼吸したりして、次の訪問に前向きな気持ちで臨むようにしています。


よくある質問(FAQ)

Q1. 訪問看護師の1日の訪問件数はどれくらいですか?

A. 平均4〜5件です。1件あたり30〜60分の訪問で、間に移動時間が15〜30分入ります。都市部では6〜7件、地方では3〜4件と地域差があります。ステーションの方針や利用者の状態によっても変わるので、転職時に確認することをおすすめします。

Q2. 残業はどれくらいありますか?

A. 記録業務の効率化次第で大きく変わります。移動中にメモを取ったり、タブレットで入力したりする工夫をすれば、17:30〜18:00には退勤できる日がほとんどです。一方、カンファレンスが入る日や、利用者さんの急変があった日は延びることもあります。全国訪問看護事業協会の調査では、1日あたりの平均残業時間は約30分とされています。

Q3. 訪問看護師に必要な運転スキルはどれくらいですか?

A. 普通自動車免許があれば十分です。都市部では自転車や公共交通機関で訪問するステーションもあります。ただし、地方では車が必須。狭い住宅街の路地を通ることもあるので、小回りのきく車が便利です。駐車スペースの確認も訪問前の大切な準備の一つです。

Q4. 病棟経験は何年必要ですか?

A. 最低3年の臨床経験を求めるステーションが多いですが、近年は新卒採用を行うステーションも増えています。日本訪問看護財団によると、新卒訪問看護師の受け入れ体制を持つステーションは全体の約15%です。一人での判断が求められるため、急性期・慢性期いずれかの病棟で基礎的なアセスメント力を身につけておくと安心です。

Q5. 雨の日や悪天候の訪問はどうしていますか?

A. 基本的に天候で訪問が中止になることはありません(台風など危険な状況を除く)。雨の日は防水バッグカバー、替えの靴下、タオルを多めに持参します。利用者さんの玄関で靴を脱ぐ前にしっかり足元を拭くのがマナー。冬の雪が多い地域ではスタッドレスタイヤも必須です。

Q6. 一人での訪問が不安です。困った時はどうしますか?

A. 一人で訪問しますが、一人で判断するわけではありません。困った時はその場でステーションに電話して先輩や管理者に相談できます。多くのステーションでは、新人は最初の数ヶ月を先輩との同行訪問で経験を積み、徐々に一人訪問に移行します。また、緊急時は主治医に直接連絡できる体制も整っています。


まとめ:訪問看護師の1日を支えるポイント

ポイント 内容
朝礼の重要性 チームの情報共有が安全な訪問の土台
平均訪問件数 1日4〜5件、1件30〜60分が目安
隙間時間の活用 移動中のメモ・下書きが残業削減の鍵
病棟との最大の違い 一人での判断と利用者の「生活」への関わり
季節対策 1日中屋外移動のため季節ごとの準備が必要
記録の効率化 「3分メモ」と「帰社後にゼロから書かない」習慣
心のケア 訪問間の気持ちの切り替えが長く続けるコツ

訪問看護師の1日は、華やかではないかもしれません。でも、「地域で暮らす方々の『最後まで自分らしく』を支える」というやりがいは、病棟では得られない特別なものです。

「訪問看護、ちょっと興味あるかも」と思った方は、ぜひ一歩踏み出してみてください。きっと、病棟とは違う看護の魅力に出会えるはずです。


参考資料・出典

  • 厚生労働省「訪問看護の現状とこれから」(2025年)
  • 全国訪問看護事業協会「訪問看護ステーション実態調査」(2024年)
  • 日本訪問看護財団「訪問看護の実態と課題に関する調査」(2024年)
  • 厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(2024年)
  • 日本看護協会「2024年 病院看護・訪問看護実態調査」

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