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移動に追われる訪問看護の一日を、予定の組み方から見直す

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訪問看護師たちが一日の予定表と訪問ルートを照らし合わせて時間配分を相談するイラスト

午前中の訪問が少しずつ押して、昼休みが短くなる。午後は到着を急ぎ、記録が終わるのは事業所に戻ってから。地図では間に合うはずなのに、どこで時間が足りなくなるのでしょうか。駐車場から玄関まで歩く時間や、訪問後の電話・記録も含めて、一日の予定をたどってみます。

地図の「15分」と、次の家に着くまでの15分は違う

地図の所要時間には、車へ戻る時間、駐車場を探す時間、建物の入口から玄関まで歩く時間が含まれていないことがあります。エレベーター待ちや、バスの乗り継ぎも同じです。移動だけを予定に入れると、小さなずれが一日分たまってしまいます。

まず一週間だけ、出発から次の玄関に着くまでの時間と、遅れた理由を残してみてください。細かく書き続けるためではなく、予定と実際の差を見つけるためのメモです。

メモすること 予定を直すときに見ること
出発・到着時刻 地図の所要時間との差
駐車・徒歩・乗り換え 特定の訪問先で毎回かかる時間
訪問が延びた理由 必要なケアだったか、準備や待ち時間だったか
電話連絡・記録 移動枠の中に隠れていた作業

管理者とは、「この訪問のあと、何分あれば次へ着けるか」を話します。訪問が延びた日も、必要なケアに時間がかかったのか、準備や待ち時間があったのかを添えると、どこを調整するか相談しやすくなります。

訪問順を変える前に、動かせない条件をそろえる

近い家から回ればよいとは限りません。処置の時間、利用者さんの生活、家族の在宅時間、他職種の訪問、同行の予定など、先に決まっている条件があります。自分だけで順番を入れ替えず、どこなら調整できるかを管理者に相談します。

「午後がきついです」と感じているなら、メモから一つ、困っている枠を選んで伝えてみます。たとえば「ここは駐車してから玄関まで時間がかかります。訪問後の電話もあるので、今の間隔では次に間に合いません」。管理者も、訪問順を変えるか、間隔を広げるかを考えやすくなります。

記録の時間も、予定の外に押し出さないようにしたいところです。移動の合間に入力するなら、安全な場所に車や自転車を止め、周囲に画面を見られない環境を選びます。運転しながらの操作や、利用者情報を個人のメッセージアプリへ送っておく方法は避けてください。休憩や移動時間の勤怠区分は、所属先のルールで確認します。

予定が17分ずれる理由を、数字で説明する

以下は架空の一日の抜粋です。前の訪問が10:00に終了し、地図上は次の家まで15分。予定表では10:15開始にしていましたが、実際には10:32到着となりました。

退室から次の玄関までの移動、連絡、記録を積み上げ、予定の不足を分単位で説明する。
地図15分を、次の訪問枠に直す。 図を大きく見る
次の訪問までの作業 予定に入っていた時間 実際の時間
前の家から車へ戻る 0分 3分
停車中の記録 0分 6分
走行 15分 15分
駐車位置の確保 0分 4分
車から次の玄関まで 0分 4分
合計 15分 32分

差は 32 − 15 = 17分です。走行そのものが予定どおりでも、他の作業が全部抜けていると遅れます。この17分を「訪問を早く終える」「休憩を短くする」で吸収すると、必要なケアや休憩にしわ寄せが移ります。

同じ架空ケースを別の日にも測り、次の3件の記録が得られたとします。

曜日 地図の走行時間 退室から玄関まで 予定との差の理由
月 15分 32分 記録6分、駐車4分、徒歩7分
水 15分 29分 記録5分、駐車2分、徒歩7分
金 15分 37分 記録6分、駐車9分、徒歩7分

この3日なら平均は約33分ですが、金曜日には37分かかっています。「35分の枠に広げても、金曜はあと2分足りません。駐車待ちが長いので、場所か訪問順も相談したいです」と伝えられます。3日分だけで今後の所要時間を決め切らず、予定を変えたあとも同じように測ります。

「出発」と「到着」は、同じ地点で測る

ある日は車が動き始めてから、別の日は前の家を出てから測ると、同じ道でも時間が違ってしまいます。この例では退室から次の玄関までを測り、その中で記録・連絡に使った時間も残しています。利用者IDは事業所の承認した識別方法を使い、個人の地図履歴や私用メモに病名・氏名を記載しません。

記入例:金曜、A宅退室10:00/安全な場所で記録10:03〜10:09/車発10:09/駐車10:24〜10:33/B宅玄関10:37。走行の遅れなし。B宅周辺の駐車待ち9分。次回の訪問時刻変更は管理者が本人と調整中。

「35分に広げたい」と相談するとき、一緒に伝えること

条件 架空の設定 予定調整の扱い
Aさんのケア 医師の指示・生活に合わせた時間条件あり 現場だけで開始時間を変えず、管理者と確認
Bさんの訪問 家族が11:00まで在宅 10:35開始案は、必要な訪問時間と家族の同意を確認してから採用
記録 訪問直後に6分必要 走行枠に紛れ込ませず、安全に入力する時間として確保
休憩 元の予定は12:00〜13:00 遅れの自動吸収枠にしない。実際に中断した場合は事実を記録
勤怠の確認 移動・連絡・入力をどの区分にするか 実態と所属先の手順を管理者へ照合し、予定の時刻へ書き換えない

労働時間は、使用者の指揮命令下にあるかなど、実際の状況で判断されます。「移動だから休憩」と一律に処理したり、必要な記録作業を勤務外へ追い出したりしません。厚生労働省の労働時間把握ガイドラインを踏まえ、使用者側が始業・終業の実態を確認します。確認日:2026年10月11日。

遅れそうなときは、速さより連絡の順番

次の訪問へ急ぐあまり、到着見込みを伝えられず、利用者さんが待ち続けることもあります。遅れが分かった時点で、管理者へ「理由・見込み・次の訪問で調整が必要なこと」を共有します。誰が利用者さんへ連絡するかも決めておきます。

連絡の例:前の訪問で追加対応があり、次の到着は約15分遅れる見込みです。次の訪問には時間指定の対応があるため、応援が必要か確認したいです。利用者さんへの連絡はどちらで行いますか。

これは業務連絡の例です。到着時刻がまだ読めない場合は、そのことも伝え、見込みが変わったら再連絡します。医療上の優先順位は、近さや移動の効率だけでは決められません。

帰る前に、今日の交通費だけ残す

移動の負担とは別に、月末に経路や駐車料金を思い出す負担もあります。日付、経路、交通手段、金額をその日に残せれば、後から探す項目を減らせます。領収書や定期券との重複の扱いは事業所の規程を確認してください。

勤務時間や経費を一か所に整理したい場合、ケアキロも選択肢の一つです。訪問順を自動で決める機能や、臨床の看護記録を代わりに書く機能として使うものではありません。

明日の予定表には、電話・記録・休憩の時間がどこに入っているでしょうか。訪問看護師の一日の流れも参考に、特に遅れが出やすい区間を選んでみてください。「この間隔を相談したい」と、実際にかかった時間を添えて管理者へ持っていきましょう。

役に立ったら、同僚にも。

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