メインコンテンツにスキップ
業務効率化

訪問看護記録の書き方ガイド!SOAP・経過記録・申し送りで迷わないテンプレート例【2026年版】

さくら

さくら

訪問看護師・ケアキロ公式ライター

2026年5月13日10
シェア
訪問看護記録のSOAP整理をイメージした、クリップボードとスマートフォンの柔らかなイラスト

「何を書けば十分なのか分からない」「記録に時間がかかって、次の訪問に気持ちが残る」——訪問看護を始めたばかりの方だけでなく、経験者でも記録の書き方に迷う場面はあります。訪問看護記録は、単なるメモではなく、利用者さんの変化を次のケアへつなぐための根拠です。この記事では、現場で使いやすいSOAP・経過記録・申し送りの型と、すぐ使える例文をまとめます。

訪問看護記録をSOAPで整理し、次の行動につなげる流れ
記録は「主観・客観・判断・次の行動」の順に整理すると、申し送りや報告につなげやすくなります。

訪問看護記録で大切なのは「事実・判断・次の行動」

訪問看護記録は、長く書けばよいものではありません。大切なのは、読んだ人が次の3点をすぐ理解できることです。

  • 今日、利用者さんに何が起きていたか
  • 看護師としてどう判断したか
  • 次回訪問や多職種連携で何を確認するか

記録がこの3点に沿っていると、ステーション内の申し送り、主治医への報告、ケアマネジャーとの連携がスムーズになります。反対に、感想や印象だけが多い記録は、後から読んだときに判断の根拠が見えにくくなります。

記録前に30秒で確認したいこと
  • バイタル・症状・処置内容など、客観的な事実は入っているか
  • 利用者さんや家族の発言は、必要に応じて言葉のまま残しているか
  • 異常なしで終わらず、次回見るべきポイントまで書けているか
  • 誰に報告・相談したか、または報告不要と判断した理由が残っているか

SOAPで書く訪問看護記録の基本

SOAPは、訪問看護でも使いやすい記録の型です。すべての訪問を無理に長いSOAPにする必要はありませんが、状態変化がある日、判断に迷った日、多職種へ共有したい日には特に役立ちます。

項目 書く内容 訪問看護での例
S 主観的情報 本人・家族の訴え、生活上の困りごと
O 客観的情報 バイタル、観察所見、処置内容、環境
A アセスメント 状態の解釈、リスク、原因の見立て
P 計画 次回確認、指導、報告、ケア内容

SOAP例文:発熱がある場合

S:「昨夜から寒気があり、食欲がない」と本人より発言。家族より「水分もいつもの半分程度」と情報あり。
O:体温37.8度、脈拍92回/分、SpO2 96%。咳嗽軽度、呼吸苦なし。尿量は前日より少なめ。内服は予定通り。
A:軽度発熱と摂取量低下あり。現時点で呼吸状態の急激な悪化はないが、脱水と感染症状の進行に注意が必要。
P:水分摂取量、尿量、体温推移を家族に記録依頼。38度以上の発熱持続、呼吸苦、意識レベル低下時はステーションへ連絡するよう説明。管理者へ共有し、必要時主治医へ報告。

SOAP例文:褥瘡ケアの場合

S:本人より「体位を変えると少し痛い」と発言。家族より「夜間は同じ向きで寝ていることが多い」と情報あり。
O:仙骨部に発赤あり。皮膚剥離なし。圧迫解除後も赤みが残る。栄養摂取は主食半量程度。
A:持続的な圧迫と栄養摂取低下により、褥瘡発生リスクが高い。早期介入が必要。
P:2時間ごとの体位変換を家族と確認。クッション位置を調整。次回、発赤範囲・疼痛・栄養摂取量を再評価。状態悪化時は主治医へ相談。

経過記録は「変化」が伝わるように書く

経過記録では、単に「問題なし」と書くよりも、前回からの変化を短く残す方が実用的です。訪問看護では、毎回同じ看護師が行けるとは限りません。次に訪問する人が、前回との差分をすぐ把握できる記録が理想です。

使いやすい経過記録テンプレート

訪問時、本人は(状態・表情・活動状況)。
バイタルは(数値)で、前回と比べて(変化)。
本日のケアは(実施内容)。
観察上、(良い変化・注意点)がみられた。
次回は(確認すること)を中心に観察する。

経過記録の例文

訪問時、本人はベッド上で覚醒しており、表情は穏やか。体温36.6度、血圧128/74mmHg、SpO2 97%で前回と大きな変化なし。本日は清拭、陰部洗浄、内服確認を実施。右下腿浮腫は前回より軽減しているが、夕方に増悪しやすいとの家族情報あり。次回は浮腫の左右差、皮膚色、疼痛の有無を継続確認する。

このように、短い文章でも「今日の状態」「実施内容」「次回の観察点」が入っていれば、記録としての価値が上がります。

申し送りで抜けやすいポイント

申し送りは、すべてを詳しく書く場所ではありません。次の担当者が訪問前に知っておくべきことを、優先順位つきで残します。

場面 申し送りに残したい内容
状態変化がある いつから、どの程度、何が変わったか
家族対応が必要 家族の不安、理解度、協力できる範囲
医師へ報告済み 報告時刻、指示内容、今後の対応
次回確認が必要 観察項目、物品、再指導の必要性

申し送り例文

次回訪問時、発熱推移と水分摂取量を確認してください。家族には体温・尿量・食事量の記録を依頼済みです。38度以上が続く場合、または呼吸苦・意識レベル低下がある場合は主治医へ報告方針です。

家族対応の申し送り例文

妻より介護負担感の訴えあり。「夜間に何度も起きるのがつらい」と発言。本人の状態は安定しているが、家族疲労が強く、次回も睡眠状況と介護負担を確認してください。必要に応じてケアマネジャーへレスパイト相談を提案。

書かない方がよい表現・置き換え例

訪問看護記録では、主観が強すぎる表現や、根拠が曖昧な断定を避けます。利用者さんや家族が読んでも誤解されにくい、事実ベースの言葉に置き換えましょう。

避けたい表現 置き換え例
元気そうだった 表情穏やかで会話量は前回と同程度
家族が非協力的 家族は服薬確認の必要性を理解しているが、日中不在が多く継続確認が難しい状況
不穏あり 15分程度、落ち着かず室内を歩き回る様子あり。声かけで着席可能
問題なし バイタル安定、疼痛訴えなし。前回の下腿浮腫は軽減傾向

「問題なし」は便利ですが、何が問題なかったのかが残りません。短くても、確認した項目を具体的に書く方が安全です。

記録時間を短くするコツ

記録の質を上げようとすると、つい時間がかかります。ですが、毎回ゼロから文章を作る必要はありません。よくある訪問パターンごとに、型を持っておくと記録時間を大きく減らせます。

1. 訪問直後に「3語だけ」残す

移動前に、スマホやメモへ次の3語だけ残します。

  • 今日の変化
  • 実施したケア
  • 次回見ること

たとえば「発熱、水分、尿量」「浮腫軽減、保湿、疼痛」「家族疲労、睡眠、CM相談」のように、あとから記録を起こすためのフックを作ります。

2. テンプレートを訪問内容ごとに分ける

同じテンプレートを全利用者さんに使うと、逆に修正が増えます。訪問看護では、最低でも次のように分けると実用的です。

  • バイタル確認中心
  • 清潔ケア中心
  • 褥瘡・創傷処置
  • 服薬確認
  • 家族支援
  • 状態悪化時

3. 「次回確認」を必ず最後に置く

記録の最後に次回確認を書くと、申し送りが自然に整います。ステーション全体で同じ書き方にすると、情報の探しやすさも上がります。

訪問看護記録のまとめ

  • 記録は「事実・判断・次の行動」が伝わることが大切
  • 状態変化がある日はSOAPで整理すると共有しやすい
  • 経過記録は前回との差分と次回の観察点を残す
  • 曖昧な印象表現は、観察した事実に置き換える
  • テンプレート化すると、記録の質と時短を両立しやすい

スマホ記録にすると、訪問直後の鮮度を残しやすい

訪問看護記録は、時間が経つほど細かな観察が抜けやすくなります。訪問直後にスマホで入力できる環境があると、移動中や次の訪問前の短い時間で、重要な情報だけでも残しやすくなります。

記録業務そのものをさらに効率化したい方は、訪問看護の記録業務を時短する効率化テクニックもあわせて読んでみてください。ケアキロでは、訪問看護師が日々の記録・交通費・月次レポートをスマホで整理できるように設計しています。

ケアキロを無料で使ってみる

ケアキロ

訪問看護の業務効率化なら「ケアキロ」

勤務記録・経費精算をスマホで簡単入力。月次レポートも自動作成できます。

無料で始める

この記事が役に立ったらシェア

シェア
さくら

この記事を書いた人

さくら

訪問看護師・ケアキロ公式ライター