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大雨の日、訪問を続けるか迷ったときに確認したいこと

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大雨の窓を背景に、二人の訪問看護師が屋内で訪問ルートと予定を相談するイラスト

雨が強くなってきたけれど、次の利用者さんは訪問を待っている。予定どおり向かうのか、電話で確認するのか。そんな場面で、一人の判断に任せないための準備が必要です。事業所の業務継続計画(BCP)を、今日の連絡と移動に使える形で確かめておきましょう。

訪問先が無事でも、そこまで行けるとは限らない

「お宅の周りは大丈夫」と聞けても、途中の道や帰り道まで安全とは限りません。川沿いの道や浸水しやすい場所を通らないか、通行規制はないかを見ます。土砂災害・浸水害・洪水災害の危険度は気象庁のキキクルで調べ、自治体の避難情報や道路の規制情報と合わせて判断材料にします。

現場で危険を感じたら、安全な場所から管理者へ状況を伝えます。「待っているから」と危険な道路へ入らず、訪問の変更や代替対応を誰が判断するか、事業所の手順に従ってください。職員自身の安否と現在地を伝える方法も必要です。

利用者さんへの連絡では、予定の変更だけでなく、今の状態や支援の必要性を確認します。その情報を基に、管理者が主治医や関係機関と調整できるようにつなぎます。医療上の緊急性がある場合は通常の訪問調整を待たず、所属先の緊急対応手順へ進みます。

電話がつながらない場合の「次」を決めておく

本人へ電話がつながらないとき、次に誰へかけるでしょうか。管理者が不在なら、誰が訪問の変更を判断するでしょうか。連絡網を上から眺めるだけでなく、応答がなかった場合を考え、平常時に次の連絡先と報告先を決めておきます。

先に決めること 確認のポイント
判断する人 管理者が不在の場合の代行者まで分かるか
連絡手段 電話が使えない場合の承認済みの代替手段はあるか
連絡がつかない場合 次の連絡先と、再度確認する担当・時刻が決まるか
訪問できない場合 必要な支援を誰がどこへ相談するか
記録が使えない場合 個人情報を扱える代替記録先があるか

家族の番号が登録されていても、日中は仕事で出られないかもしれません。どの時間帯なら誰と連絡が取れるかも聞いておきます。電話が使えない場合は承認済みの代替手段を使い、私用のグループチャットで利用者情報を共有する方法を独断で始めないでください。

停電の備えは、機器ごとの確認が必要

在宅で医療機器を使う利用者さんには、停電時に何が困るかを個別に確認します。機器名、予備電源の扱い、機器事業者への問い合わせ先、主治医との連絡経路などです。

予備の電池を見つけたら、「どの機器に使うものか」「どのくらい使えて、誰が交換するのか」までたどります。機器事業者の説明と主治医の指示、利用者さんの個別計画に沿って確かめてください。一般的な災害チェックリストを根拠に、酸素の使い方や機器の設定を変えることはできません。

避難先の案内を渡したら、「そこまで、どなたと移動できそうですか」と尋ねます。移動を支援する人、持ち出す物、関係者への連絡を、所属先のBCPと地域の支援体制に照らして相談します。

大雨の日を想定して、連絡をたどってみる

訓練では、今日の勤務者で役割を決め、通行規制を知ったところから連絡をたどってみます。判断する人、家族へ連絡する人、次に様子を確かめる人まで決められるでしょうか。下表は架空の訓練記録です。時刻は訓練上の設定で、安全確保や緊急対応をその時間まで待つ基準ではありません。

職員の安全確保から利用者確認、連絡不能時の引継ぎ、管理者の代替調整までを示す。
大雨時の連絡が止まらない流れ。 図を大きく見る
訓練時刻・出来事 動く人 残す情報と次の動き
13:00、予定経路の通行規制を確認 現場看護師A 安全な場所で停止。現在地、次の訪問、帰路の懸念を管理者Bへ連絡
13:05、管理者が通常訪問の変更を指示 管理者B・代行C 連絡担当Dを指定。別経路を使えばよいと現場へ丸投げせず、必要な支援と移動可能性を分けて確認
13:10、本人の電話は応答なし 連絡担当D 架空ID「R-12」へ発信、応答なしと記録。事前登録された家族への連絡へ進む
13:15、家族へ連絡が取れた D 家族の申告では停電なし、本人の状態は電話越しには未確認。予備電源の残量・使用可能時間は未確認
13:20、機器の確認を依頼 B 機器事業者と主治医へ既存の個別計画を照合。必要な代替支援を関係機関へ相談
13:40、再確認を予定 C 家族への再連絡を担当。結果が得られなければBへ戻す。未応答を「問題なし」にしない

13:15に家族とは話せましたが、本人の状態と予備電源については、まだ分かっていません。電話がつながっただけで支援不要とせず、その先を誰が調べるかまでつなぎます。本人にも家族にも連絡が取れなければ、あらかじめ決めた関係機関への連絡経路に沿って、管理者が対応を調整します。心配でも、安否確認のために職員が危険な道を単独で進む手順にはしないでください。

機器の備えと連絡先を、一枚で見られるように

連絡するたびに別の台帳を探さなくて済むよう、必要な担当者が安全に参照できる個別シートを用意します。詳しい医療情報を無制限に配るのではなく、BCPで使う範囲に合わせて管理します。下表は記載項目の例です。臨床的な優先順位は利用者さんごとに、管理者・主治医と決めます。

記載欄 架空の記入例 更新する担当
本人・支援者の連絡順 本人→登録家族→担当ケアマネ。番号は承認済み台帳で参照 連絡担当:変更時と訓練前に照合
電源と機器 機器P、予備電源あり。使える時間は機器事業者へ確認中 担当看護師・機器担当:仕様と個別計画を照合
移動と避難 1階居住。本人のみの移動は難しい。支援者は家族Q、自治体との調整は未完了 管理者:地域窓口・家族と支援方法を確認
訪問変更時の相談先 主治医窓口、管理者B。不在時はC 管理者:代行者と連絡手段を更新
最終確認と残課題 10月11日。機器の使用可能時間と地域の移動支援が未確定 B:確認期限と代行者を設定

予備電源を使える時間や酸素の備えは、機器の条件、実際の設定、電池の劣化、本人の状態で変わります。記事の一般例から計算せず、機器事業者の説明と主治医の指示に基づく計画を、このシートへ残します。

15分の机上訓練で、連絡網の穴を見つける

朝礼後の訓練例として、最初の5分は「管理者が不在」、次の5分は「本人と家族が応答しない」、最後の5分は「記録システムが使えない」を追加します。実際の利用者への発信ではなく、架空データで担当者が連絡先と代替記録先を探します。開始前に訓練と明示してください。

訓練を終えたら、迷ったところを具体的に残します。「代行Cの番号が古かった」「Dは紙の代替様式の場所を知らなかった」なら、誰がいつ直すかを決め、更新版を置いた場所も職員へ知らせます。様式や訓練の組み方には厚生労働省の作成支援ページ、移動経路の危険を読む際には気象庁の浸水キキクルの解説も使えます。資料の確認日:2026年10月11日。

次の担当へは、電話で聞けなかったことも伝える

忙しいときこそ、電話がつながったことだけで申し送りを終えないようにします。何を聞けて、何を聞けなかったか、次は誰がいつ連絡するかを添えると、交代した人も続きを担えます。

架空の申し送り例:14時、家族と電話で連絡が取れた。現在は停電なしとのこと。予備電源の使用可能時間は未確認。管理者へ共有し、機器事業者への確認を依頼。16時にA看護師が家族へ再連絡する。

「安全確認済み」の一言では、予備電源のことも調べ終わったように読めてしまいます。記録の書き方も参考に、家族の話と、これから機器事業者へ尋ねることを残してください。

次の朝礼では、「利用者さんに電話がつながらない」という一つの場面を想定し、実際に連絡網をたどってみるとよいでしょう。迷った箇所をBCPへ戻し、更新した内容を職員へ共有します。厚生労働省のBCP作成支援の研修資料も、その見直しに使えます。

役に立ったら、同僚にも。

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