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キャリア

【2026年最新データ】都道府県別・訪問看護ステーション数ランキング|地域格差と転職・開業のヒント

さくら

さくら

訪問看護師・ケアキロ公式ライター

2026年2月19日11
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「自分の地域って、訪問看護ステーションが多い方? 少ない方?」——転職先を探すとき、開業を考えるとき、ふと気になりませんか? 実は、最もステーションが多い大阪府(2,222ヵ所)と最も少ない鳥取県(75ヵ所)では約30倍の差があります。さらに2024年度は新規開設2,487ヵ所と過去最多を記録した一方で、廃止886ヵ所・休止355ヵ所もまた過去最多という「二極化」が進行中です。今回は全国訪問看護事業協会と厚生労働省の公式データをもとに、全47都道府県のステーション数を徹底分析し、キャリアに活かせるヒントをお伝えします。

全国の訪問看護ステーション数:13年で約3倍に

まず、全国の訪問看護ステーション数の推移を確認しましょう。

ステーション数の推移

年度(4月1日時点) 稼働数 前年比
2010年(平成22年) 5,731
2015年(平成27年) 8,241
2020年(令和2年) 11,931
2023年(令和5年) 15,697
2024年(令和6年) 17,329 +1,632(+10.4%)
2025年(令和7年) 18,754 +1,425(+8.2%)

出典:全国訪問看護事業協会「訪問看護ステーション数調査」(令和7年度)

2012年の制度改正以降、訪問看護ステーション数は約3倍に増加し、13年間の年平均成長率は8.8%。15年連続で増加を続けています。

この急成長の背景には、以下の要因があります:

  • 2025年問題:団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に突入
  • 在宅医療の推進:政府の「地域包括ケアシステム」政策
  • 病床削減:急性期病床の削減に伴う在宅ケアニーズの拡大
  • 診療報酬・介護報酬の改定:訪問看護への加算の充実

都道府県別ステーション数ランキング

では、具体的にどの都道府県にステーションが多いのでしょうか。2025年4月1日時点の全国訪問看護事業協会の調査データで見ていきます。指定事業所数は全国19,314ヵ所、うち稼働しているのは18,754ヵ所(休止560ヵ所を除く)です。

トップ10:ステーション数が多い都道府県

順位 都道府県 稼働数 前年比 特徴
1 大阪府 2,222 +255 断トツの全国1位、小規模事業所が多い
2 東京都 1,768 +94 人口最多だが大阪に次ぐ2位
3 愛知県 1,262 +102 中部地方の中核
4 神奈川県 1,161 +114 前年比+114の大幅増
5 福岡県 1,051 +99 九州の拠点
6 兵庫県 999 +61 関西圏の一角
7 埼玉県 879 +69 人口5位、需要拡大中
8 北海道 711 +70 広大な面積、移動距離が課題
9 千葉県 695 +55 首都圏ベッドタウン
10 京都府 482 +34 人口あたりでは上位

ワースト5:ステーション数が少ない都道府県

順位 都道府県 稼働数 前年比 特徴
43 島根県 101 +3 過疎地域が多い
44 秋田県 94 +9 高齢化率全国1位
45 山梨県 93 +6 県土の約8割が山間地
46 山形県 92 +3 人口あたりでも全国最少
47 鳥取県 75 +3 人口最少県

全47都道府県一覧

全都道府県のデータを地方別にまとめました。

地方 都道府県 稼働数 前年比
北海道・東北 北海道 711 +70
青森 149 +1
岩手 128 +6
宮城 233 +18
秋田 94 +9
山形 92 +3
福島 198 +12
関東 茨城 316 +28
栃木 222 +18
群馬 357 +36
埼玉 879 +69
千葉 695 +55
東京 1,768 +94
神奈川 1,161 +114
中部 新潟 201 +7
富山 112 +8
石川 147 +5
福井 103 -1
山梨 93 +6
長野 230 +7
岐阜 313 +9
静岡 382 +35
愛知 1,262 +102
近畿 三重 209 -22
滋賀 220 +22
京都 482 +34
大阪 2,222 +255
兵庫 999 +61
奈良 232 +24
和歌山 232 +26
中国 鳥取 75 +3
島根 101 +3
岡山 238 +13
広島 454 +45
山口 183 +10
四国 徳島 116 +1
香川 155 +9
愛媛 218 +7
高知 110 +9
九州・沖縄 福岡 1,051 +99
佐賀 120 -1
長崎 160 +20
熊本 370 +43
大分 231 +1
宮崎 205 +20
鹿児島 243 +11
沖縄 282 +21
合計 18,754 +1,425

出典:全国訪問看護事業協会「令和7年度 訪問看護ステーション数調査結果」(2025年4月1日時点)

なぜ大阪府が東京都より多いのか

「人口は東京が1位なのに、なぜ大阪が1位?」と不思議に思いますよね。大阪は東京より454ヵ所も多いのです。その背景には:

  • 小規模ステーションの多さ:大阪は看護師2.5人の最小規模ステーションの比率が全国で最も高い
  • 新規参入の活発さ:2024年度だけで321ヵ所が新規開設(全国最多)
  • 廃止も最多:同年度の廃止も134ヵ所で全国最多。参入しやすい反面、競争も激しい
  • 前年比+255:全国で最も増加数が大きく、二極化の象徴的な地域

人口あたりで見る「本当のランキング」

ステーション数だけでは、地域の「充実度」は正確に測れません。人口10万人あたりのステーション数で見ると、順位が大きく変わります。

総務省「人口推計」(2024年10月1日現在)の都道府県別人口をもとに計算しました。

人口10万人あたりステーション数:トップ10

順位 都道府県 人口10万人あたり 稼働数 人口(千人)
1 和歌山県 26.4 232 880
2 大阪府 25.4 2,222 8,757
3 熊本県 21.8 370 1,697
4 大分県 21.3 231 1,085
5 福岡県 20.6 1,051 5,092
6 宮崎県 19.8 205 1,033
7 沖縄県 19.2 282 1,466
8 京都府 19.1 482 2,520
9 群馬県 18.9 357 1,890
10 兵庫県 18.7 999 5,337

人口10万人あたりステーション数:ワースト10

順位 都道府県 人口10万人あたり 稼働数 人口(千人)
47 山形県 9.1 92 1,011
46 新潟県 9.6 201 2,099
45 宮城県 10.4 233 2,248
44 秋田県 10.5 94 897
43 静岡県 10.8 382 3,527
42 千葉県 11.1 695 6,251
41 岩手県 11.2 128 1,145
41 富山県 11.2 112 997
39 茨城県 11.3 316 2,806
38 福島県 11.4 198 1,743

全国平均は15.1ヵ所(18,754稼働 ÷ 1億2,380万人)です。

意外な結果:近畿と九州が上位、東北・北関東が下位

人口あたりで見ると、近畿地方(和歌山・大阪・京都・兵庫)と九州地方(熊本・大分・福岡・宮崎)が上位を占めます。一方で、東北地方と北関東は全国平均を大きく下回っています。

この地域差の背景には:

  • 近畿の特徴:小規模ステーションが多く参入が活発。特に大阪は新規開設数・廃止数ともに全国最多で、市場が非常に流動的
  • 九州の特徴:高齢化率が高く在宅ケアのニーズが大きい。熊本・大分・宮崎は人口減少が進む一方でステーション数は増加
  • 東北の課題:人口10万人あたり10ヵ所前後と全国平均の約3分の2。看護師の都市部流出が深刻

注目すべきは首都圏です。埼玉(12.0)、千葉(11.1)、東京(12.5)、神奈川(12.6)はいずれも全国平均(15.1)を下回っています。人口の集中に対してステーションの供給が追いついていません。


増加と廃止の二極化:最新データが示す実態

訪問看護ステーションは増え続けていますが、同時に廃止・休止も過去最多を更新し続けています。

2024年度(令和6年度)の開設・廃止・休止データ

項目 数値 前年度 備考
新規開設 2,487ヵ所 2,437ヵ所 過去最多を更新
廃止 886ヵ所 701ヵ所 過去最多、前年度比+185
休止 355ヵ所 291ヵ所 過去最多、前年度比+64
純増(稼働数) +1,425ヵ所 +1,632ヵ所 廃止増で純増ペースは鈍化

出典:全国訪問看護事業協会「令和7年度 訪問看護ステーション数調査結果」

廃止の理由トップ3

順位 理由 割合
1 職員の確保が困難 22.7%
2 管理者の退職 17.6%
3 利用者不足・経営困難 14.9%

休止の理由トップ3

順位 理由 割合
1 人員基準を下回った 17.4%
2 利用者不足・経営困難 17.1%
3 職員の確保が困難 16.4%

廃止・休止ともに「人材確保の難しさ」が最大の要因です。訪問看護の人件費率は売上の78.0%を占めており、看護師を採用できなければ経営が立ち行かなくなる構造的な課題があります。

都道府県別で見る二極化

大阪府のデータが二極化を象徴しています:

項目 大阪府 全国
新規開設 321(全国1位) 2,487
廃止 134(全国1位) 886
休止 23 355
純増 +255(全国1位) +1,425

「参入しやすいが、生き残りは厳しい」——これが訪問看護業界の現実です。特に看護師2.5人の最小規模ステーションは、一人が退職しただけで人員基準を下回り、休止に追い込まれるリスクがあります。


地域格差の問題:都市部と地方で何が違うのか

都市部の特徴

項目 状況
競争環境 ステーション数が多く、利用者獲得の競争が激しい
専門特化 がん看護、精神科、小児など専門性で差別化する傾向
採用市場 求人数は多いが看護師も選り好みしやすい
給与水準 地方より高めだが生活コストも高い
訪問効率 移動距離が短く、1日の訪問件数を確保しやすい

地方の特徴

項目 状況
供給不足 人口10万人あたり10ヵ所前後の地域も(東北など)
移動距離 1回の訪問に片道30分〜1時間以上かかることも
採用難度 若手看護師の都市部流出が深刻
地域密着 利用者・医療機関との関係が深く、やりがいを感じやすい
行政支援 UIターン支援、看護師確保事業など自治体の支援策あり

減少する県も:三重と福井の事例

47都道府県中、三重県(-22)と福井県(-1)、佐賀県(-1)の3県は前年から稼働数が減少しています。三重県は特に22ヵ所減と大きく、地方での経営難の深刻さを示しています。


転職を考えている方への地域選びガイド

データを踏まえて、転職先の地域を選ぶ際のポイントをまとめます。

地域タイプ別の転職メリット・デメリット

地域タイプ メリット デメリット こんな方におすすめ
大都市(大阪・東京) 求人数が多い、専門特化しやすい 競争激しい、生活コスト高い 専門性を高めたい方
人口あたり不足エリア(山形・新潟・宮城等) 需要に対して供給不足=必要とされる 求人数が少ない場合も 地域に貢献したい方
首都圏近郊(埼玉・千葉) 全国平均を下回り需要が高い 通勤時間が長い場合も 安定した需要の中で働きたい方
地方中核都市 生活コスト低い、地域に根づける 選択肢がやや少ない ワークライフバランスを重視したい方

転職前に確認すべき5つのデータ

  1. ステーション数と人口比:全国平均15.1ヵ所/10万人と比較する
  2. 高齢化率:将来の需要の伸びを予測できる
  3. 訪問看護の求人倍率:地域の採用状況を把握(全国平均は3.22倍)
  4. 平均給与:地域ごとの年収水準を確認
  5. 自治体の看護師支援制度:住宅補助、研修補助、奨学金返還支援など

開業を考えている方へのデータ活用術

開業地域を選ぶ際のチェックリスト

チェック項目 確認方法 重要度
既存ステーション数 介護サービス情報公表システムで検索 ★★★
人口あたりステーション数 ステーション数÷人口×10万 ★★★
高齢化率と将来推計 市区町村の人口ビジョン ★★★
競合ステーションの規模・専門性 公表情報で確認 ★★☆
連携できる医療機関 地域の在宅療養支援診療所数 ★★☆
看護師の採用しやすさ 地域の看護師数と求人倍率 ★★★
自治体の支援制度 開業補助金、設備貸与など ★★☆

開業で注目すべき地域の特徴

  • 人口あたりステーション数が全国平均(15.1ヵ所/10万人)を下回る地域は、需要に対して供給が不足している可能性(首都圏・東北・北関東など)
  • 高齢化率が全国平均(29.3%)以上で、今後も上昇が見込まれる地域
  • 在宅療養支援診療所が充実している地域は、医師との連携がスムーズ
  • 看護師の採用ができることが大前提——廃止理由の22.7%が「職員確保の困難」

私が地域選びで大切にしていること

私自身、転職を考えたときに「どの地域で働くか」をかなり悩みました。最初は「東京なら求人が多いし、給料もいいだろう」と漠然と思っていたんです。

でもデータを調べてみたら、東京の人口あたりステーション数は12.5で、全国平均の15.1を下回っていることがわかりました。一見ステーションだらけに見える東京も、人口比で考えるとまだまだ足りていないんですね。そして、東北や北関東はさらに少ない。

実際に今の地域で働いてみると、「利用者さんに本当に必要とされている」と実感できる場面が多いんです。データで見る需給バランスと、現場での実感はちゃんとリンクしていました。

地域選びで私が大切にしたポイントは:

  • 「必要とされる実感」:競合が少なすぎず多すぎず、自分の存在意義を感じられる環境
  • 通勤・移動の負担:1日の訪問件数と移動時間のバランス
  • ステーションの教育体制:地域以上に「どのステーションか」が重要
  • プライベートとの両立:家族の生活環境、住宅コスト、子育て環境

データは大切ですが、最終的には「自分がどんな看護をしたいか」が一番の判断基準だと思います。


よくある質問(FAQ)

Q1. 訪問看護ステーション数が最も多い都道府県はどこですか?

A. 大阪府が2,222ヵ所で全国1位です(2025年4月時点)。2位は東京都(1,768ヵ所)、3位は愛知県(1,262ヵ所)。大阪は新規開設321・廃止134と、ともに全国最多で市場が非常に流動的です。

Q2. 人口あたりで訪問看護ステーションが多い地域はどこですか?

A. 和歌山県が人口10万人あたり26.4ヵ所で全国1位、次いで大阪府(25.4)、熊本県(21.8)です。近畿地方と九州地方が上位を占める傾向があります。逆に、山形県(9.1)、新潟県(9.6)など東北地方は全国平均(15.1)を大きく下回っています。

Q3. 訪問看護ステーションの廃止が増えているのはなぜですか?

A. 2024年度の廃止は886ヵ所で過去最多です。最大の理由は「職員の確保が困難」(22.7%)。訪問看護の人件費率は売上の78%を占めており、看護師を採用できないと経営が成り立たない構造があります。管理者の退職(17.6%)や利用者不足(14.9%)も上位に入っています。

Q4. 転職先の地域はどうやって選べばいいですか?

A. ステーション数だけでなく、人口あたりの数(全国平均15.1/10万人と比較)・高齢化率・求人倍率・自治体の支援制度を総合的に確認しましょう。東北や首都圏は人口比で不足しているエリアが多く、需要が高い傾向です。

Q5. 前年からステーションが減った県はありますか?

A. 2024→2025年で三重県(-22)、福井県(-1)、佐賀県(-1)の3県が減少しています。三重県は特に大きな減少で、地方での経営難の深刻さを示す事例です。

Q6. 開業するならどの地域が有利ですか?

A. 人口あたりステーション数が全国平均(15.1)を下回り、高齢化率が高く、在宅療養支援診療所が充実している地域は有利な傾向があります。ただし、看護師を採用できるかどうかが最も重要な要素です。廃止理由の22.7%が人材確保の困難であることを忘れないでください。


まとめ:データを味方につけてキャリアを考えよう

訪問看護ステーションは全国18,754ヵ所(2025年4月時点)に達し、15年連続で増加しています。しかし、その内実は地域によって大きく異なります。

本記事のポイント

ポイント 内容
全国の動向 年平均8.8%成長、13年で約3倍に増加
稼働数1位 大阪府(2,222ヵ所)、2位 東京都(1,768ヵ所)
人口あたり1位 和歌山県(26.4ヵ所/10万人)
人口あたり最少 山形県(9.1ヵ所/10万人)
首都圏も平均以下 東京12.5、埼玉12.0、千葉11.1(全国平均15.1)
二極化の進行 新規開設2,487 vs 廃止886(ともに過去最多)
廃止の最大理由 職員の確保が困難(22.7%)

キャリアに活かすための3つのアクション

  1. 自分の地域のデータを調べる:この記事の全47都道府県一覧で、自分の県のステーション数を確認
  2. 人口比で全国平均(15.1/10万人)と比較する:需要と供給のバランスを客観的に把握
  3. 将来予測を加味する:高齢化率の推移から、5年後・10年後の需要を見通す

データは「正解」を教えてくれるわけではありませんが、客観的な判断材料として非常に役立ちます。転職や開業を考えるとき、ぜひ今回のデータを参考にしてみてください。

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参考資料・出典

  • 全国訪問看護事業協会「令和7年度 訪問看護ステーション数調査結果」(2025年4月1日時点)
  • 全国訪問看護事業協会「令和6年度 訪問看護ステーション数調査結果」(2024年4月1日時点)
  • 総務省統計局「人口推計(2024年10月1日現在)」
  • 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」
  • 株式会社eWeLL「訪問看護ステーション数 最新情報」(2025年)

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