メインコンテンツにスキップ
読みもの一覧へ

都道府県別・訪問看護ステーション数ランキング|2025年4月の分布と地域選び

更新:

都道府県別訪問看護ステーション数を表す日本地図と棒グラフのイラスト

転職先の候補が少ないのは地域の特徴なのか。開業を考える場所に、すでに何か所あるのか。ステーション数は、その見当をつける材料になります。ただ、数が多いだけで働きやすさや受け入れ余力までは分かりません。ここでは2025年4月1日時点の稼働数を、総数と人口あたりの両方から見ていきます。気になる県を見つけたら、通える範囲や訪問する地域へ絞って調べてみましょう。

東京・和歌山・山形の2025年稼働数を横軸、2024年人口10万人あたりの拠点数を縦軸に示す散布図
実データから計算した3都県の比較。横軸は総数、縦軸は総人口に対する拠点密度です。資料の対象時点は本文の出典を確認してください。 図を大きく見る

このランキングは、2025年4月の「稼働している拠点数」

この記事のステーション数は、全国訪問看護事業協会の令和7年度調査結果に基づきます。2025年4月1日時点の指定数は19,314か所、そのうち休止中の560か所を除いた稼働数は18,754か所です。指定数と稼働数を混ぜずに比較してください。

掲載しているのは2025年の分布です。現在の求人や利用者の受け入れ状況は、各事業所へ確認する必要があります。また、病院・診療所から行われる訪問看護も含めた、地域のサービス全体を表す数ではありません。

2026年の調査も公表済み。下の表は2025年の分布を読む

2026年10月11日の資料確認時点で、協会は令和8年度の調査結果も公表しています。2026年4月1日の稼働数は20,051か所、指定数は20,568か所、休止中は517か所です。この記事の全47都道府県表と人口あたりの比較は、2025年4月の分布として読んでください。2026年の総数とは対象時点が違います。

調べたいこと 開く資料・見る時点
この記事の人口あたり順位を再計算する 2025年4月の稼働数+2024年10月の総人口
2025年から2026年の事業所数の動き 令和8年度調査の稼働数と対前年増減。例:全国+1,297か所
現在、通える範囲で募集しているか 公表情報と事業所の求人・直接確認。調査の稼働数では分からない

自分で人口あたりの値を計算し直す場合も、事業所数と人口の対象時点をメモしておきます。下の表の事業所数だけを新しい値に置き換えると、ここに示した順位とは比較できなくなります。

全国の稼働数の推移

年(4月1日時点) 稼働数
2010年 5,731
2015年 8,241
2020年 11,931
2023年 15,697
2024年 17,329
2025年 18,754

同じ協会調査の数を並べると増加が続いています。2024年から2025年は1,425か所増。ただし、全国の増加だけで、自分が通える範囲の選択肢も増えたとは判断できません。

都道府県別の稼働数ランキング

稼働数の多い10都道府県

順位 都道府県 稼働数 前年との差
1 大阪府 2,222 +255
2 東京都 1,768 +94
3 愛知県 1,262 +102
4 神奈川県 1,161 +114
5 福岡県 1,051 +99
6 兵庫県 999 +61
7 埼玉県 879 +69
8 北海道 711 +70
9 千葉県 695 +55
10 京都府 482 +34

稼働数の少ない5県

総数順位 都道府県 稼働数 前年との差
43 島根県 101 +3
44 秋田県 94 +9
45 山梨県 93 +6
46 山形県 92 +3
47 鳥取県 75 +3

大阪府と鳥取県の総数には大きな差がありますが、人口や面積も違います。「少ない県ほどサービスが不足している」という順位ではありません。

全47都道府県一覧

地方 都道府県 稼働数 前年比
北海道・東北 北海道 711 +70
青森 149 +1
岩手 128 +6
宮城 233 +18
秋田 94 +9
山形 92 +3
福島 198 +12
関東 茨城 316 +28
栃木 222 +18
群馬 357 +36
埼玉 879 +69
千葉 695 +55
東京 1,768 +94
神奈川 1,161 +114
中部 新潟 201 +7
富山 112 +8
石川 147 +5
福井 103 -1
山梨 93 +6
長野 230 +7
岐阜 313 +9
静岡 382 +35
愛知 1,262 +102
近畿 三重 209 -22
滋賀 220 +22
京都 482 +34
大阪 2,222 +255
兵庫 999 +61
奈良 232 +24
和歌山 232 +26
中国 鳥取 75 +3
島根 101 +3
岡山 238 +13
広島 454 +45
山口 183 +10
四国 徳島 116 +1
香川 155 +9
愛媛 218 +7
高知 110 +9
九州・沖縄 福岡 1,051 +99
佐賀 120 -1
長崎 160 +20
熊本 370 +43
大分 231 +1
宮崎 205 +20
鹿児島 243 +11
沖縄 282 +21
合計 18,754 +1,425

出典:全国訪問看護事業協会「令和7年度 訪問看護ステーション数調査結果」。前年比は2024年4月1日の稼働数との差です。

大阪府の総数が東京都を上回る理由は、この表だけでは分からない

大阪府は東京都より454か所多く、2024年度中の新規開設数321、廃止数134も全国で最も多くなっています。ただし、調査表から事業所の規模や開設・廃止の理由までは分かりません。小規模事業所の割合、採用状況、住宅や移動条件などを別の資料で確かめる必要があります。

人口あたりで見ると、順位はどう変わる?

分母をそろえるため、総務省統計局の人口推計・2024年10月1日現在の総人口を使って計算しました。ステーションの基準日とは約半年のずれがあります。

計算式は「稼働数 ÷ 総人口 × 100,000」。表では人口を千人単位で掲載し、結果を小数第1位に丸めています。順位は丸める前の値で決めているため、表示が同じでも順位が異なる場合があります。

人口10万人あたりの数が多い10都道府県

順位 都道府県 人口10万人あたり 稼働数 人口(千人)
1 和歌山県 26.4 232 880
2 大阪府 25.4 2,222 8,757
3 熊本県 21.8 370 1,697
4 大分県 21.3 231 1,085
5 福岡県 20.6 1,051 5,092
6 宮崎県 19.8 205 1,033
7 沖縄県 19.2 282 1,466
8 京都府 19.1 482 2,520
9 群馬県 18.9 357 1,890
10 兵庫県 18.7 999 5,337

人口10万人あたりの数が少ない10県

順位 都道府県 人口10万人あたり 稼働数 人口(千人)
47 山形県 9.1 92 1,011
46 新潟県 9.6 201 2,099
45 宮城県 10.4 233 2,248
44 秋田県 10.5 94 897
43 静岡県 10.8 382 3,527
42 千葉県 11.1 695 6,251
41 岩手県 11.2 128 1,145
40 富山県 11.2 112 997
39 茨城県 11.3 316 2,806
38 福島県 11.4 198 1,743

全国では、18,754 ÷ 123,802,000 × 100,000 ≒ 15.1か所です。東京都は12.5、埼玉県は12.0、千葉県は11.1、神奈川県は12.6と、総数の大きい首都圏も全国値を下回ります。一方、群馬県は18.9で上位に入っています。関東全体を一括りにはできません。

人口あたりの数は「受け入れ余力」の順位ではない

1か所に所属する看護職員の人数、対応できる疾患や年齢、24時間対応の有無は違います。県内でも市街地と山間部で移動条件が変わり、県境を越える訪問もあります。

数字から分かること 追加で確かめたいこと
稼働している拠点の数 看護職員数、訪問可能な件数
総人口に対する拠点の密度 高齢者人口、在宅療養者のニーズ、利用状況
前年との増減 休止・再開や集計条件、事業所の移転・統合
県全体の分布 自分の生活圏・訪問圏にある事業所

全国値を下回ることは、需要を詳しく調べるきっかけになります。ただ、それだけで「人手不足」「開業に有利」とは言い切れません。

東京・和歌山・山形を、総数と人口あたりで見比べる

ここまでの2025年稼働数と2024年人口を使い、3都県を見比べてみます。いずれも実データからの計算で、小数第1位へ丸めています。

都道府県 総数と計算 数字の読み方
東京都 1,768÷14,178,000×100,000≒12.5 総数は多いが、総人口に対する拠点密度は全国15.1より低い
和歌山県 232÷880,000×100,000≒26.4 総数は東京より少ないが、拠点密度は高い
山形県 92÷1,011,000×100,000≒9.1 拠点密度は低い。ただし現在の求人・訪問範囲・人員数は別に確認

東京の方が選べる求人が多い、和歌山の方が仕事が楽、山形なら開業が成功するとは、この計算だけで言えません。人口あたりは「拠点の密度」を表す指標で、スタッフ数・受け入れ余力・必要なケアを直接数えていないためです。

転職先は、通勤できる範囲の求人へ絞っていく

次は転職活動の架空の記入例です。県のランキングを見た後に、市区町村・通勤・自分の条件を順に足します。件数は実際の求人統計ではありません。

絞り込む順番 架空の検索結果 次に調べること
地図で通勤40分以内 公表上の事業所12か所 情報の更新日、実際の朝の通勤、同法人の拠点重複
現在の採用 応募可能な求人5か所 募集の継続、勤務形態、担当拠点
未経験者の教育を確認 同行・評価方法まで分かった3か所 同行終了後の電話支援、未経験ケアの練習
当番・家庭の制約を確認 月の上限を相談できる2か所 実出動と翌朝調整、書面条件
見学へ進む A・Bの2か所 実際の勤務予定、記録時間、欠勤時の代替

この例で見学に進むのは、県全体の数から絞った2か所です。候補から外した理由もメモしておけば、次は通勤範囲を広げるのか、勤務条件を相談するのかを考えやすくなります。

開業する地域を比べるなら、必要とされるケアまで聞く

以下も架空の2地域です。地域の実データ、需要予測、収支の推計ではありません。拠点数を調べたあと、どこへ話を聞きに行くかを考える例です。

項目 X市の候補圏 Y市の候補圏
仮の総人口・拠点数 10万人・15拠点 5万人・8拠点
仮の人口10万人あたり 15÷100,000×100,000=15 8÷50,000×100,000=16
地図から分かったこと 拠点が駅周辺に集中 拠点が複数地区に分散
紹介元へ聞くこと 駅から離れた地区で受入先探しに困るケア・時間帯は? 遠距離訪問や夜間対応の未充足は?
採用・移動で未確認 採用できる看護職、駐車費と訪問圏 採用できる看護職、冬季の所要時間
現段階の判断 数だけで開業決定せず、具体的な紹介と採用を確認 密度がXより高いだけで除外しない。対応できるケアを確認

紹介元から「困っている」と聞いた場合も、個人情報を集めるのではなく、必要なケアの種類、頻度、訪問地域、時間帯を確認します。聞いたケアに対応できる人員や訪問ルートを組めるか、受入条件・指定基準・収支と合わせて検討します。相談がありそうだという段階で、そのすべてを受けられるものとして売上を計算するのは避けましょう。

新規開設と廃止は、別々に見る

2024年度中の動き 数
新規開設 2,487か所
廃止 886か所
休止 355か所
翌年4月1日の稼働数の純増 1,425か所

出典:同協会調査。年度中の休止数355と、2025年4月1日時点で休止している560は別の数です。再開や集計上の変動もあるため、「開設−廃止−休止」がそのまま稼働数の純増になるわけではありません。

前年より稼働数が減ったのは、三重県(−22)、福井県(−1)、佐賀県(−1)です。減少の理由は表に記載されていないため、経営難が原因だと断定することはできません。

開業を検討するなら、数の変化と合わせて、採用ができるか、管理者を支える体制があるか、病院やケアマネジャーからどんな相談が来るかを調べます。移動や記録、キャンセルまで含めた収支も必要です。

転職先を探すときの使い方

まずは全47都道府県一覧で候補地域を見て、次に実際の通勤範囲へ絞ってみてください。同じ県内でも、近隣に候補が集まっているかどうかで探し方が変わります。

気になること 見学・面接での質問例
移動の負担 「実際の訪問ルートと、1日の移動時間を教えてください」
教育体制 「同行終了は何を見て判断しますか。独り立ち後の相談先は?」
オンコール 「最近の当番・電話・出動の回数と、翌日の調整方法は?」
給与 「想定年収には、どの手当と何回の当番が含まれますか」
働き続けやすさ 「欠員や急な休みが出たとき、訪問をどう調整しますか」

地域の事業所数が少なくても教育体制の合う職場はあります。多くても、自分が希望する小児・精神科などに対応する求人があるとは限りません。ランキングで地域を眺めたら、次は気になる事業所の求人と日々の働き方を見ていきましょう。

職場を比較する項目は、訪問看護ステーション選びで失敗しない5つのポイントにもまとめています。

開業候補地では、市区町村まで絞って調べる

県全体のランキングは、候補地域を広く見るためのものです。開業判断には、予定する訪問圏の情報が必要になります。

  1. 介護サービス情報公表システムで、既存事業所の所在地・規模・対応内容を確認する
  2. 自治体の人口統計や在宅医療・介護の計画で、年齢構成とサービス利用状況を見る
  3. 医療機関や居宅介護支援事業所に、受け入れ先を探しているケースや時間帯を聞く
  4. 採用、訪問距離、車両、記録、キャンセルを含めて収支を試算する
  5. 指定窓口へ人員・設備・運営基準や手続きを確認する

「県全体では多いが、夜間や特定のケアに対応できる先が少ない」など、総数では見えない課題があるかもしれません。具体的な紹介・採用の見込みまで確かめてから判断しましょう。

気になる地域が見つかったら、地図と現場の話へ

気になる県の数を見たら、地図を開いて自分が通う範囲、訪問する範囲を描いてみてください。転職なら求人先に一日の働き方を、開業なら紹介元に受け入れ先を探しているケアを聞きます。拠点数だけでは見えなかった、その地域で働く姿が少しずつ具体的になります。

日々の勤怠・経費管理については、ケアキロの案内をご覧ください。

出典と計算に使った資料

役に立ったら、同僚にも。

シェア
ほかの読みものを見る