訪問バッグの清潔な物と使用後の物、分けて持ち帰れていますか
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訪問を終えてバッグを閉めるとき、使った機器をどこへ戻していますか。手指衛生やマスクの準備はできていても、持ち帰った物の扱いが担当者によって違うことがあります。次の訪問で迷わないように、秋冬の準備をいつものバッグから始めてみましょう。
今日のケアには、どの防護具が必要か
標準予防策は、感染症の診断の有無だけで対応を分けず、血液や体液などへの接触の可能性を考えて行う対策です。すべての訪問で同じ防護具を一式着用する、という意味ではありません。
訪問前に、今日行うケアを思い浮かべます。血液や体液が手に付く可能性はあるか、顔や衣服へ飛ぶ場面はないか。その見通しに合わせて、手袋、マスク、眼の防護、ガウンなどを所属先の手順に沿って選びます。感染症に応じた追加の対策は、事業所の方針と最新の資料で確かめます。
手袋を着ければ手指衛生を省けるわけではありません。手袋を外した後も手指衛生を行い、汚染した手袋のままスマホやバッグを触らないよう、作業の順番を考えます。防護具の脱ぎ方に迷う場合は、訪問前に職員同士で手順を確認してください。
防護具を選ぶ場面や脱ぐ順番に迷ったら、厚生労働省の介護現場の感染対策に関する資料にある訪問系サービス向けの手引きも使えます。いつものケアを取り上げて、事業所の研修で動きを確かめておくとよいでしょう。
バッグの中で、清潔な物へ戻さない
使った機器を、取り出した場所へそのまま戻していないでしょうか。未使用品と混ざると、次の担当者には処理が必要かどうか分かりません。出発前に、清潔な物、使用後の物、廃棄する物それぞれの行き先を、事業所の手順に沿ってそろえます。
利用者宅では、バッグを置く前に「こちらに置いてよいですか」と声をかけます。清潔な物を取り出す面と、使用後の物を一時的に置く場所も、本人・家族と相談します。必要な袋や容器が足りないと、その場で代用品を探すことになります。いつものケアに必要な物がそろうよう、準備から見直したいところです。
帰所後は、持ち帰った物品の処理・清掃・補充までが一続きです。「車に積んだので終了」とすると、翌日の担当者が中身の状態を知らずに使うことがあります。共有するバッグや機器は、使用後の処理が済んだか分かる運用にしてください。消毒剤の選択や使用方法は対象物と製品の指示に従い、濃度や混合を自己判断で変えません。
共有バッグは、次に使う人の手元まで考える
共有バッグで起こりやすいのは、使用後の物が一時的に未使用の物と混ざり、次の担当者が区別できなくなることです。収納に色を付けるだけでは、暗い場所や似た袋で迷います。「未使用」「使用後・処理待ち」など文字でも区別し、帰所後に誰が処理するかまで決めます。
共有バッグを点検するときは、下表を見ながら「使った後はどこへ入れるか」「誰が処理するか」を話してみてください。具体的な洗浄・消毒や医療廃棄物の処理方法は、使用物品、感染リスク、製品の指示に合わせて管理担当者が定めます。
| 物の区分 | 出発時 | 使用後の扱い | 次の担当へ渡す条件 |
|---|---|---|---|
| 未使用の手袋・ガウン等 | 包装・破損・必要数を確認 | 使用後は未使用区分へ戻さない。廃棄先は所属先の手順 | 未使用のまま保管された物だけを補充欄へ計上 |
| 再使用する測定機器 | 処理済みと使用可能状態を確認 | 未処理なら区別した容器へ。対象機器の手順に沿って処理 | 担当者・処理日・異常の有無を確認 |
| バッグ・取り出し用の面 | 清潔に扱う場所と保護方法を確認 | 置いた場所や汚染の有無を確認し、必要な処理を相談 | 状態が不明なら、そのまま次の訪問へ回さない |
| スマホ・記録端末 | 通知・画面・機器の扱いを確認 | 汚染した手袋で触れた場合などは事業所へ報告し、端末に適した処理 | 故障を避け、製品が認める方法と所属手順で対応 |
| 廃棄する物・鋭利な物 | 指定の処理経路・容器を確認 | 袋への混在や、一般ごみ扱いを独断で行わない | 持ち帰りの要否も含め所属先の廃棄手順へ |
架空の場面:使用済み機器が清潔側へ戻っていた
帰所時、担当Aが共有バッグの未使用区分に使用済み機器を見つけたとします。次の担当Bへ「消毒してあると思う」と渡すのではなく、使用・処理の履歴を確認します。状態が分からなければ未処理として区別し、管理者へ連絡して所定の処理へ回します。
引継ぎ例:10月11日16:20、共有バッグK-02の機器Pは処理済みの記録を確認できず、使用後区分へ移した。担当Aが管理者Cへ報告。Cの指示で所定の再処理と機器確認を担当Dが行う。次の担当Bには代替の処理済み機器を準備。補充だけで出発させない。
一緒に入っていた未使用物品も気になります。何が何に触れたのか、包装は保たれていたのかを管理者へ伝え、扱いを相談します。袋に入っていたというだけで安全と判断したり、混ざった物を一律に廃棄したりせず、接触した状況から考えます。
急な体調不良でも、交代を頼めるように
秋冬の準備では、物品と一緒に連絡網も見直します。朝、体調が悪くなった職員は誰に電話するか。その人が出なければどうするか。交代を決めた後に利用者さんへ説明する人まで決まっていると、体調不良の職員が無理に訪問へ出ずに済みます。
| 場面 | 伝える内容 | 管理者側の対応 |
|---|---|---|
| 勤務前に体調不良 | 症状と開始時期、担当訪問、連絡が取れる方法 | 出勤・訪問の可否を所属基準で判断。代替担当と連絡担当を指定 |
| 家族から「咳が増えた」と連絡 | 誰の症状か、経過、訪問予定。状態の判断は臨床の連絡経路へ | 必要な対応を主治医等と相談し、防護具・担当・持参物を調整 |
| 防護具の在庫不足 | 品名、残数、次の訪問で必要な物 | 必要なケアを無理に開始せず、調達・訪問体制を調整 |
| 帰所後の物品処理が未完了 | 使用した物、処理状況、代替の有無 | 処理担当と使用再開の確認担当を決める |
検査結果だけで感染対策や勤務可否を決めず、症状、経過、実施するケア、所属先の基準を合わせて判断します。利用者の体調悪化に医療上の緊急性がある場合は、バッグ点検や通常の予定調整を待たず、所属先の緊急対応手順へつなげてください。
準備会では、架空の利用者情報を使い、手袋を外して記録端末を使うところや、使用後の物を持ち帰るところを実演してみます。欠勤の第一報も、実際の連絡先を探すところまで試すと、手順書だけでは気づかない困りごとが見えてきます。厚生労働省の感染対策資料(第3版の手引き・訪問系の概要版)は2026年10月11日に確認しました。2023年の手引きは基本の対策に使い、個別の感染症や地域の流行については、その時点の更新情報を参照します。
換気の相談は、寒さや生活も一緒に聞く
「窓を開けてください」だけでは、寒さがつらい人や、開閉が難しい人には続けにくい提案になります。換気の方法は、室温、設備、本人の体調や生活に合わせて相談します。必要な感染対策を説明しつつ、実行できる方法を一緒に考えます。
家族へは、一度に多くの注意事項を渡すより、今回のケアで必要な手洗いや物品の扱いを具体的に伝えます。分からないことを聞き返せるようにし、家族が理解した内容と困っている点をチームで共有します。
勤務前の連絡は、症状と今日の予定を添えて
発熱や咳がある朝は、決められた連絡先へ、症状、始まった時期、今日担当する訪問を伝えます。出勤・訪問の可否は事業所の方針に沿って判断します。「人が足りないから」と自分だけで決めず、予定の調整も任せられるようにしておきましょう。
利用者さんへの説明や担当変更の申し送りは、連絡を受けた側で分担します。症状のある職員が何本も電話をかけて調整することになっていないか、管理者と振り返ってみてください。
次のバッグ点検では、物品の数だけでなく、使用後の物を入れる場所まで見てみてください。基本の対策は訪問看護の感染対策、担当変更時の連絡はSBARの使い方でも確認できます。

